核酸医薬品の非臨床安全性評価では、核酸医薬品特有のハイブリダイゼーションに起因する標的外遺伝子への直接的影響(以下、オフターゲット効果という)により生ずるオフターゲット毒性を評価する必要があります。このオフターゲット毒性の原因となるオフターゲット効果を評価する方法として、ヒトのゲノムDNAやRNA情報を用いたin silico解析、あるいはヒト細胞を用いたin vitroマイクロアレイ解析などを用いて評価することが推奨されています。加えて、マイクロアレイ解析を実施することで、in silico解析で候補に挙がったオフターゲット候補遺伝子の中からヒトへのリスク評価すべき遺伝子の絞り込みに加えて、核酸医薬候補品に起因する下流の遺伝子発現変動も併せて評価することが可能であり、これらの情報をヒトへのリスク評価に活用することが期待されています。
CERIでは、上記のオフターゲット効果の評価として情報秘匿性の高いオフライン環境下でのGGGenome4)を用いたin silico解析が行えます。また、ディスカッションを通じて使用するアレイや細胞の最適な選択をご提案し、in vitroマイクロアレイ解析をトータルでサポートします。
1)核酸医薬品の非臨床安全性評価に関するガイドラインについて(令和2年3月30日薬生薬審発0330第1号)
2)医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス、PMDRS 46(10), 681〜686(2015)
3)医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス、PMDRS 50(2), 72〜82 (2019)
4)GGGenomeは大学共同利用機関法人情報・システム研究機構の登録商標です。
種類 | アンチセンスオリゴ | siRNA | miRNA | ||
---|---|---|---|---|---|
Gapmer型 | スプライシング 制御型 |
miRNA 阻害型 |
|||
標的 | mRNA pre-mRNA |
pre-mRNA | miRNA | mRNA | mRNA |
作用機序 | RNA分解 | スプライシング 阻害 |
miRNAと mRNAの結合阻害 |
RNA分解 | RNA分解 miRNA補充 |
測定アレイ | 遺伝子発現 アレイ |
エクソン アレイ |
遺伝子発現 アレイ5) |
遺伝子発現 アレイ |
遺伝子発現 アレイ5) |
5):RNA分解を作用機序に持つ薬剤のみマイクロアレイで評価可能です
in silico解析では、図1に示すように「検索アルゴリズムの選択」、「検索データベースの選択」及び「作用機序に基づいた検索配列の設計」を適切に実施することが重要です。
CERIでは、情報秘匿性の高いオフライン環境下でのGGGenome(検索が正確で漏れがないとされる塩基配列検索アルゴリズムが搭載されています)を用いたin silico解析をいち早く構築し、受託解析を実施しています。また、お客様とのディスカッション等を通じて、解析に適した検索データベース及び検索に用いる配列設計を提案しています。
in vitroマイクロアレイ解析では、図1に示すように「評価対象遺伝子が発現している細胞の選択」、「作用機序に基づいたアレイの選択」及び「評価対象遺伝子が搭載されたアレイの選択」が解析における重要な要素となります。
CERIでは、核酸医薬品の種類やお客様のニーズに基づき、解析の目的に適したアレイによるin vitroマイクロアレイ解析を実施しています。また、ご要望に応じ細胞へのばく露実験・total RNA抽出等も行っています。
・細胞へのばく露実験
細胞ばく露実験あるいはtotal RNA抽出等からの試験も承ります。
実績のある細胞の例:HepG2、Huh-7等(分化が必要な細胞や浮遊系細胞など多様な細胞にも対応しています。是非ご相談ください。)
・アレイ解析
Agilent社またはLife technologies Corp.(旧Affymetrix)社のアレイで解析します。
10年以上に渡り、様々な企業や大学、病院、研究機関等からの受託解析実績があります。
2021年8月更新
こちらのフォームより可能な限り詳しくお知らせください。具体的な解析内容については、お客様とご相談の上決定させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。