ガス透過性試験は、試験片を透過するガス量(ガス透過度、ガス透過係数)を測定する試験です。
試験方法は「差圧法」と「等圧法」に大別され、本機構では「差圧法」により試験を行っています。
差圧法のうち、ガスクロマトグラフ法では、試験片を透過した単一ガス又は複数成分の混合ガスをガスクロマトグラフカラムに導入し、カラムで成分別に分離することで、ガス透過度、ガス透過係数を測定することができます。例えば、空気中の窒素と酸素の各成分はガスクロマトグラフで分離されますので、各々の透過率を算出することができます。高温多湿環境下における酸素ガス透過性等、より実使用環境に近い条件での評価も可能です。
【試験詳細】
試験ガス | 酸素、窒素、水素、二酸化炭素、空気、メタン、プロパン等 その他のガス種、混合ガスについてはお問い合わせください。 |
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試験片寸法 | 直径65〜90 mm、厚さ0.01〜4 mm |
試験片数 | 3 |
試験温度 | 10℃〜150℃ |
試験湿度 | 0〜90%RH(ただし試験温度による) |
準拠規格 | JIS K 6275-1、JIS K 6404-3、JIS K 7126-1等 |
対象試料 | ゴム、引き布、プラスチック 等 |
【測定原理】
試験片の片側(高圧側)に試験ガスを導入し、低圧側を経由して計量管に透過した試験ガス量をガスクロマトグラフによって算出します(図2)。
【測定結果例】
図3(a)は異なる透過時間で測定したガスクロマトグラムであり、透過時間が長くなるに伴い試験ガスである酸素濃度が増加していることが分かります。図3(b)は透過時間に対するガス濃度のプロットであり、この傾きからガス透過度・ガス透過係数を算出します。
【ガス・水蒸気透過性試験機(ガスクロマトグラフ法) スペック】
GTR-TEC製 ガス・水蒸気透過率測定装置 GTR-30XACK |
ジーエルサイエンス製 ガス・水蒸気透過率測定装置 |
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試験片寸法 | φ60〜70 mm | 試験片寸法 | φ80〜90 mm |
透過面積 | 直径44 mm円形 | 透過面積 | 直径70 mm円形 |
試験片厚さ | 0.01〜3mm | 試験片厚さ | 0.01〜3mm |
セル数 | 3 | セル数 | 3 |
試験温度 | 10〜95℃ | 試験温度 | 10〜150℃ |
ガス透過度測定範囲※ | 1.0〜1.0×106 (cm3/m2・24h・atm) |
ガス透過度測定範囲※ | 0.1〜2.0×106 (cm3/m2・24h・atm) |
試験湿度 | 0〜90%RH ただし温度による |
試験温湿度 | 0〜90%RH ただし温度による |
測定ガス | 空気、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン、プロパン、水素等 | 測定ガス | 空気、酸素、窒素、二酸化炭素、メタン、プロパン、水素等 |
※測定範囲は試験条件(ガス種・温度)による
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