材料の静電気減衰特性(帯電性、静電気の逃げやすさ)の評価を行います。
コロナ放電により生成した空気イオンを試料に照射、電荷を与えます。試料の電荷が定常状態になった後、照射を停止、時間経過に対する電荷減衰を測定します。
<対応規格>
・JIS L 1094「織物及び編物の帯電性試験方法」7.1 A法(半減期測定法)
試験片(45 mm×45 mm)を測定面が上になるよう取り付けた後、ターンテーブルを回転させながら10 kV(−10 kV)の印加を30秒間行い、試料を帯電させます。印加を止め、耐電圧が初期帯電圧の1/2に減衰するまでの時間(秒)を測定します。減衰時間に120秒以上を要する場合には、120秒で測定を中止します。
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図1 試験機概略 |
図2 試験機外観 |
【測定結果例】
結果の例を図3に示します。試料A,Bはともに初期帯電圧がV0ですが、試料Aは照射停止からτA秒後に初期帯電圧の1/2(V0/2)まで減衰しています。一方、試料Bは120秒間で初期帯電圧の1/2まで減衰していません。よって、試料Aは試料Bより静電気の逃げやすい試料であることが分かります。
図3 電荷減衰曲線
試験機名称:シシド静電気(株)製 STATIC HONESTMETER TYPE S-5109
印加方式 :高圧直流コロナ放電式
出力電圧 :DC (±)0〜10 kV
回転数 :約1550 rpm(60 Hz)