業務案内

  1. Home
  2. 業務案内
  3. 材料・素材(ゴム・プラスチック等)
  4. 分子量分布の測定

分子量分布の測定

  1. 分子量分布の測定

分子量分布の測定

 一般的に、ポリマーを主原料として作られる高分子材料の物性はその分子量及び分子量分布に大きく左右されるため、ポリマーごとに分子量及び分子量分布の異なる複数のグレードが市販されています。この分子量及び分子量分布を測定することで、設計通りのグレードのポリマーが使用されているかを確認することができます。また、使用する高分子によっては成形条件や使用過程において分子量分布が変化し、製品性能が低下する(劣化する)可能性があることから、分子量分布を把握することは成形時や使用時の劣化挙動を知るうえでも重要です。
 分子量及び分子量分布はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定することができ、次式で定義される重量平均分子量( Mn)、数平均分子量(Mw)、多分散度(Mw/Mn)が得られます。GPCでは以下に例示した有機溶媒に可溶な高分子を測定可能です。

  • 重量平均分子量、数平均分子量、多分散度 計算式

※GPCはサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)とも呼ばれます

  • 高分子の分子量分布(例)
    高分子の分子量分布(例)
GPCによる分子量測定、分子量分布測定で測定可能な高分子の例
1.プラスチック、熱可塑性樹脂

ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリブテン(PB)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンエーテル(PPE、PPO)、ポリアセタール(ポリオキシメチレン:POM)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU、PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート(PBS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂(可溶分のみ)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイミド(PI)前駆体(ポリアミド酸)

2.原料ゴム、未加硫ゴム(ゴムコンパウンド)、エラストマー

天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリジメチルシロキサン(シリコーンオイルや未架橋シリコーンゴムなど)、ポリウレタン(PU)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)

3.熱硬化性樹脂、その他

硬化前フェノール樹脂、硬化前エポキシ樹脂、高分子量可塑剤、潤滑油、グリースなど

GPCによる分子量測定、分子量分布測定で使用可能な溶離液の例

テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,Nジメチルアセトアミド(DMA)、N -メチル-2-ピロリジノン(NMP)、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、o-ジクロロベンゼン(o-DCB)、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)

GPCにより分子量を測定できないサンプルの例

加硫ゴム、熱硬化性樹脂などの三次元網目構造を有するポリマー(溶剤可溶分のみであれば測定可能)、ポリマーラテックス(水分を蒸発乾固し、残った残渣が溶媒に溶解するのであれば測定可能)など

 

 超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)など上に記載のない高分子の測定の可否や、分析法の詳細等については、左上の問合せフォーム(このページのお問合せ)又はお電話でお問い合わせください。
  東京事業所 高分子技術部
  TEL 0480-37-2601