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ラジカル量の測定

  1. ラジカル量の測定

電子スピン共鳴(ESR)測定によるラジカルの分析

 電子スピン共鳴(ESR:Electron Spin Resonance) 測定により、不対電子を持つ化合物の種類・量等を知ることが可能です。また、スピントラップ剤を用いることで、液体中及び気体中のヒドロキシルラジカル(・OH)等の活性酸素をはじめとした短寿命のフリーラジカルも分析することができます。本機構では、固体・液体試料について、加熱・冷却・UV照射中等、様々な条件でESR測定を実施できます。

※ESRはEPR(Electron Paramagnetic Resonance)とも呼ばれます。

ESRの活用例
ESRの測定事例
  • 光による劣化処理を行ったプラスチック材料の比較分析
  • 図1 光劣化処理前後のポリカーボネート(PC)のESRスペクトル
    図1 光劣化処理前後のポリカーボネート(PC)のESRスペクトル

 PCに光劣化処理を施す前後で測定したESRスペクトルを比較すると、未処理のPCでは内部標準のマンガンマーカーに起因するピークのみが検出されます。一方で、光劣化処理後では有機ラジカルに起因するピークが検出されます。このように、有機ラジカル量の増加から劣化の進行を定量的に評価できる場合があります。

  • 未加硫ゴムコンパウンドを加熱したときに発生するラジカル量の比較分析
  • 図2 150℃加熱時のESRスペクトルの経時変化
    図2 150℃加熱時のESRスペクトルの経時変化
  • 図3 異なる加硫促進剤を配合し、150℃加熱時のラジカル発生量を比較した結果
     図3 異なる加硫促進剤を配合し、150℃加熱時のラジカル発生量を比較した結果 

 ESR装置内において未加硫ゴムコンパウンドを加硫温度で加熱することにより、加硫中に生じるラジカル量を比較できる場合があります。ESRにより得られた結果を加硫曲線等と併せて評価することにより、加硫反応解析に役立てることができます。

  • スピントラップ剤を使用したヒドロキシルラジカルの定量分析
  • 図4 スピントラップ法により測定した家電製品から放出された気体のESRスペクトル
    図4 スピントラップ法により測定した家電製品から放出された気体のESRスペクトル

 市販されている家電製品の中には、においの原因物質及びウィルスの分解、殺菌等が可能なものもあります。それらの家電製品から放出された気体をスピントラップ剤入りの水溶液と接触させた後、ESR測定を行った結果が図4です。家電製品から放出された気体ではヒドロキシルラジカルに起因するシグナルが検出されました。同様の手法を用いることにより、機能水、ウルトラファインバブル水等の水中に含まれるヒドロキシルラジカルを定量することも可能です。

促進劣化処理

 本機構は各種耐候性試験機及びギヤーオーブン等を所有しており、促進劣化処理を行う環境が充実しています。各種促進劣化処理から、処理後の試料を用いたESR測定に至るまでの一連の評価を行うことが可能です。

問合せ先

受託測定をご希望の方は、以下の電話番号に直接お電話いただくか、こちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

電話でのお問合せ
0480-37-2601
(東京事業所 高分子技術部門)