急速に富栄養化が進行した湖沼、池等の閉鎖性水域では、生物相のバランスが崩れ、しばしばある種のプランクトンなどが異常に増殖することがあります。こうして大発生した浮遊性の藍藻類が水面に浮き上がり、緑色のペンキを流したような状態になることを「アオコ」といいます。このアオコは景観を損ねるばかりでなく、藍藻類が生産する毒性物質により野生動物、家畜等の死亡を引き起こし、多くの国々で問題となっています。
アオコの藍藻毒としては、Microcystis属の産生するMicrocystin(ミクロシスチンもしくはミクロキスチン)及びAnabaena属の産生するAnatoxin(アナトキシン)がよく知られています。Microcystinは多数の構造類似体を持ちますが、そのうちMicrocystin -LRは厚生労働省が定める水道水質基準の要検討項目に指定されており、0.0008 mg/L(暫定)と低濃度の目標値が設定されています。
本機構では、液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)を用いて水質試料中のMicrocystin -LR, YR, RR及びAnatoxin-aの高感度分析を実施しています。その他の試料についても対応していますので、まずはお問い合わせください。