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ヘキサブロモシクロドデカンの分析

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ヘキサブロモシクロドデカンの分析

 1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)は、REACH規則の高懸念物質(SVHC)リストの認可対象物質であり、平成26年5月1日には化審法の第一種特定化学物質に指定されました。現在は、当該物質の製造及び輸入は原則禁止されていますが、これまで難燃剤として様々な消費者製品に使用されてきました。
 本機構では、HBCDの含有が懸念される繊維・樹脂製品中の含有量を精度良く分析できます。

■分析方法

 製品を完全に溶解し、内標準溶液を加え、液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC-MS/MS)を用いて分析します。 繊維製品では、ソックスレー抽出や超音波を用いた抽出などでは、完全にHBCDを抽出することは難しく、2から3割程度の回収しかありません。 本機構では、繊維、樹脂などを完全に溶解するためそれらに含まれるHBCDを精度良く分析することができます。 また、HBCDには、異性体(ジアステレオマー)がありますが、一般的に分析対象となる、α、β、及びγの3異性体に加え、δ及びεの異性体の分離定量を行っています。 LC-MS/MSクロマトグラム例を図に示します。

図 HBCD各異性体(10ng/mL)のクロマトグラム

HBCD各異性体(10ng/mL)のクロマトグラム

■アプリケーション

 これまでHBCDは、主に建材等で用いられる発泡ポリスチレン(断熱材)やカーテン等の繊維製品に難燃剤として使用されてきました。これらの製品についての含有分析のみならず、環境への放出を考慮した様々な溶出試験、放散量測定等を行いHBCD含有製品のリスク評価も行っています。

 また、排出水、排出ガスなど事業場から環境中への放出量の測定や、環境大気、河川水、底質及び 土壌などの環境媒体中HBCDの微量分析も行っています。