L-column Microは、内径0.075〜0.3 mmのナノ・ミクロカラムです。L-column2 ODSをはじめとする低吸着性の充填剤と、独自に開発した充填技術及びデッドボリュームの少ないカラム構造が融合した高性能カラムです。
フューズドシリカがむき出しなので、機器に直接接続することで、デッドボリュームが低減できます。金属部品を使用していないので、LC/MS/MSによるリン酸化プロテオーム解析でのリン酸化ペプチドの同定に最適です。
フューズドシリカにPEEK樹脂をコーティングしています。取り扱いしやすく、MSとの接続が容易です。
Fig.2、Fig.3は、BSAのトリプシン消化物をLC/MSで分析し、濃度とカバー率を示しました。カラムの優位差は低濃度で顕著にみられます。
カバー率が高いほど、タンパク質中のアミノ酸配列を多く読み取れたことになり、L-column Microは、低濃度まで高いカバー率を示します。これは、充填剤が極限まで不活性化処理されているため、通常の市販カラムでは問題となるカラムへの微量ペプチドの吸着がほとんど起こらないことと、高理論段数を有するためです。多くのタンパク質を同定できるため、プロテオーム解析には最適です。
L-column Microは、低吸着性の充填剤により、多くのペプチドを分離できます。このため、タンパク質の同定に有効です。またシャープなピークは定量性にも優れ、微量分析にも最適なカラムです(Fig.4)。
また、独自の充填技術により、高圧充填しています。均一に充填されたカラムは、高理論段数と高耐久性を実現しました。
微量成分の分析では、注入量を多くするためにトラップカラムが必須です。L-column Microのトラップカラムは、少ないデッドボリュームと充填剤の低吸着性により、確実に目的成分をトラップすることができます(Fig.5)。
極限までデッドボリュームを排除しているため理論段数を低下させません。さらにカートリッジ式なので、経済的です。
トラップカラムは、目的成分をしっかりと保持し、また充填剤への不可逆的な吸着がほとんどないため、試料の損失がありません。インシュリンB鎖では20〜1000 ngの範囲内でピーク面積との直線性が得られています(Fig.6)。