プラスチックの生分解度は、試料と植種源を試験容器内で混合して培養し、試験容器中の酸素消費量又は二酸化炭素発生量を測定することにより評価します。試料の生分解性は植種源の種類や試験環境によって異なるため、目的に応じた試験条件を選択する必要があります。本機構では活性汚泥、コンポスト、土壌に加えて、近年社会的な関心が高まっている海水や海洋堆積物を植種源とした生分解度評価を実施することができます。
本機構は日本バイオプラスチック協会(JBPA)の認定試験機関の一つであり、生分解性プラ識別表示制度のポジティブリスト記載申請に必要な規格試験にも対応しています。また、JIS K 6953-1に関して、ISO/IEC 17025の要求事項を満たしたJNLA認定を取得※1(国内唯一2023年8月現在)しており、信頼の高いデータをご提供します。
※1 独立行政法人製品評価技術基盤機構:「プラスチック生分解性試験のJNLA試験事業者を国内初認定」
<活性汚泥中(水系)・コンポスト中・土壌中における生分解度試験>
試験規格 | JIS K 6950 ISO 14851 |
JIS K 6953-1 ISO 14855-1 |
JIS K 6955 ISO 17556 |
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規格名称 | プラスチック−水系培養液中の好気的究極生分解度の求め方−閉鎖呼吸計を用いる酸素消費量の測定による方法 | プラスチック−制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分解度の求め方−発生二酸化炭素量の測定による方法−第1部:一般的方法 | プラスチック−呼吸計を用いた酸素消費量又は発生した二酸化炭素量の測定による土壌中での好気的究極生分解度の求め方 |
概要 | 水系での好気的生分解度試験 | 制御されたコンポスト中での好気的生分解度試験 | 土壌中での好気的生分解度試験 |
植種源 | 活性汚泥 | コンポスト | 土壌 |
試験温度 | 20〜25℃ | 58℃ | 20〜28℃ |
評価試料形態 | 微粉末等 | ||
評価項目 | 生分解度(%) | ||
試験期間 | 〜6ヶ月※2 | 〜6ヶ月※2 | 〜24ヶ月※2 |
<海洋生分解度試験>
試験規格 | ASTM D6691 | ISO 23977-1 ISO 23977-2 |
ISO 19679 | ISO 22404 |
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規格名称 | 定義された微生物コンソーシアム又は天然海水接種物による海洋環境におけるプラスチック材料の好気的生分解の決定のための標準試験方法 | プラスチック−海水にさらされたプラスチック材料の好気性生物分解の測定 − 第1部:発生した二酸化炭素の分析による方法 − 第2部:密閉呼吸計で酸素要求量を測定する方法 |
プラスチック−海水/堆積物界面の非浮遊プラスチック材料の好気的生分解度の求め方 − 発生二酸化炭素の分析による方法 |
プラスチック−海洋堆積物にばく露された非浮遊材料の好気的生分解度の求め方 − 発生二酸化炭素の分析による方法 |
概要 | 海水中での好気的生分解度試験 | 海水中での好気的生分解度試験 | 海水/堆積物界面での 好気的生分解度試験 |
海洋堆積物での好気的生分解度試験 |
植種源 | 海水 | 海水 | 海水及び海洋堆積物 | 海洋堆積物 |
試験温度 | 30℃ | 15〜25℃ | 15〜25℃ | 15〜25℃ |
評価試料形態 | 微粉末 | 微粉末又はフィルム | ||
評価項目 | 生分解度(%) | |||
試験期間 | 〜3ヶ月※2 | 〜24ヶ月※2 | 〜24ヶ月※2 | 〜24ヶ月※2 |
※2 定常期に至った場合は培養期間を短縮できます。
<好気的コンポスト条件下(JIS K 6953-1)におけるセルロースの生分解度試験>
・生分解度曲線
・生分解度曲線
・試料外観
試料を植種源(土壌、コンポスト、海水等)に埋設して一定期間培養し、埋設前後の試料の外観観察、質量変化測定等を行う試験です。試料の形状等が変化する様子を経時的に観察することができます。
試料や試験目的に合わせて最適な試験条件を提案しますので、まずはご相談ください。
概要 | 好気的環境下での崩壊試験 |
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植種源 | 土壌、コンポスト、海水及び海洋堆積物 |
評価試料形態 | フィルム、布 等 |
評価項目 | 外観観察、質量変化測定、SEMによる表面観察 等 |
<ポリヒドロキシ酪酸(PHB)フィルムの土壌中での崩壊試験>
・試料外観 (試料サイズ:3 cm×4.5 cm, 厚さ100 μm)
・SEMによる表面観察
論文発表等
発表者名 | タイトル | 雑誌名 |
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菊地 | 海洋生分解性評価法 | プラスチック成形加工学会誌, 第35巻第3号 (2023) |
菊地 | 生分解性プラスチックに関する認証制度 | 繊維製品消費科学会誌,(2022) |
菊地 | プラスチックの生分解とマイクロプラスチック | 標準物質協議会会報,90号 (2021) |
田口ら | 微生物の高活性化による海洋生分解性評価の加速化 ※マテリアルライフ学会論文賞受賞 |
マテリアルライフ学会誌,33(3), 57-64 (2021) |
田口ら | 海底域を含む暴露環境の違いによるプラスチックの生分解性評価 | マテリアルライフ学会誌,32(3), 58〜68 (2020) |
書籍等
著者名 | タイトル | 出版社 | 発刊日 |
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菊地 (監修:岩田忠久) |
海洋汚染問題を解決する生分解性プラスチック開発 〜分解性評価から新素材まで〜 |
株式会社エヌ・ティー・エス | 2023年2月 |
学会発表等
発表者名 | タイトル | 発表先 | 発表年月 |
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菊地ら | Evaluation of biodegradability in marine | The 13th SPSJ International Polymer Conference | 2023年7月 |
田口ら | Factors affecting biodegradation rate in accelerated evaluation of marine biodegradation of plastics | 第72回高分子学会年次大会 | 2023年5月 |
尾坂ら | 高分子材料の加速的な海洋生分解性試験法の開発 | 第27回高分子分析討論会 | 2022年10月 |
菊地ら | プラスチックの海洋生分解性評価 | 第71回高分子討論会 | 2022年7月 |
尾坂ら | 海洋生分解性の加速試験法の開発 | 第71回高分子学会年次大会 | 2022年5月 |
田口ら | 海洋環境と実験室環境におけるプラスチックの生分解性評価 ※広報委員会パブリシティ賞 |
第70回高分子学会年次大会 | 2021年5月 |
田口ら | 海洋環境での高分子材料の生分解性の評価 | 第69回高分子学会年次大会 | 2020年5月 |
田口ら | 海洋水中での高分子材料の生分解度の評価 | 日本ゴム協会第30回エラストマー討論会 | 2019年12月 |