新型コロナウイルス感染症防止策の一つとして注目されているのが、“適切な換気”です。そして、この適切な換気の目安のために事業者で使用されているのが、二酸化炭素モニターです。しかし、今、市販の二酸化炭素モニターの中には、環境中の二酸化炭素濃度を正確に表示しない機種があるという趣旨の報告があります(当部門調べ)。
例として、二酸化炭素濃度が一定の環境に3台の異なる機種のモニターを同時に静置したとき、一定時間経過後のそれぞれのモニターの表示値を次のように写真及び表で示します。
モニター | 指示値 ※1 |
---|---|
A | 528 ppm |
B | 3258 ppm |
C | 1154 ppm |
この例では、同じ環境下にあるにもかかわらず、3台※1とも全く異なる数値を表示しました。これでは、この環境の二酸化炭素濃度を正確に知ることができません。この問題を解決するには、モニターの性能評価が不可欠です。
本機構は、計量法に規定された標準ガスの指定校正機関※2として、標準ガスの製造技術及び測定技術を有しています。この技術を用いて、二酸化炭素モニターの性能評価を実施しています。
リーフレット
・二酸化炭素モニターの性能評価
動画で見る
・Ch.9 二酸化炭素モニター性能評価
関連試験
・アルコール測定装置の性能評価
(担当:化学標準部)
※1 本機構による検証試験に使用した3台のみの結果であり、対象の機種の他の個体で同様の結果が得られるとは限りません。
※2 本機構は、濃度(標準ガス及び標準液)に係る指定校正機関として経済産業大臣から指定され、一次標準物質(国家標準)を調製・維持管理し、登録事業者に対し二次標準物質の校正(値付け)を行っています。