- ・GHSって何?
- ・GHS分類するってどういうこと?
- ・ラベルを見てって言われたけどどこを見れば良いの?
- ・SDSって何?どこに気を付けて読めば良いの?
- ・化学物質の危険有害性ってどんな種類があるの?
本ページでは、化学物質管理において重要な役割を担う
「GHS分類・ラベル表示・SDS」について解説します。
なぜGHS分類が必要なのか、
ラベルやSDSには何が書いてあるのか、
なぜラベルやSDSが大事なのか、
「GHS」がどのように化学物質管理につながるのか、
まとめて学びましょう。
CONTENTS
GHSとは?
GHSとは?
GHSとは、国際連合経済社会理事会(United Nations Economic and Social Council:
ECOSOC)で合意された「化学品の分類および表示に関する世界調和システム(The
Globally Harmonized System of
Classification and Labelling of
Chemicals)」の略称です。
「化学品」という言葉が使われていますが、いわゆる化学物質と、複数の化学物質を混ぜ合わせた混合物の両方を合わせて「化学品」と定義されています。
GHSでは、化学品にどのような危険性・有害性(以降、危険有害性とします)があるのか、種類と程度を特定して、その化学品を使う全ての人々に危険性や有害性の情報を伝えることを目的としています。
そのために、GHSに定められた危険性・有害性を判定する基準を用いて「分類」を行い、化学品の危険有害性に関する情報を「ラベル」と「SDS(安全データシート)」という手段で伝えます。
これらの分類基準や情報伝達の手段を国際的に統一したシステムがGHSです。
GHSって何?を解説します!
- ・GHSって何の略語?
- ・GHSへの対応は義務なの?
- ・なぜGHSが必要なの?
- ・GHSって何をするの?
このような疑問を解消するためにGHSの“イロハ”を学びましょう。
GHSの役割
化学物質管理を確実に行うためには、使っている物質について、
- ・有害かどうかの情報を把握する
- ・有害であるという情報を得た場合、その化学物質を使う人又は次に化学物質を渡す相手にその情報を伝える
- ・有害であることを理解し、安全に取り扱うための対策を取って化学物質を使う人に教える
- ・化学物質を使う人は対策に従って安全な使い方を守る
GHSは、化学物質に関する危険有害性情報を把握し、正しく理解し、伝達する一連のプロセスの着実な実施に大きな役割を果たしています。
GHS分類の基本
GHS分類
化学品を取り扱う前に、その化学品はどのような危険有害性があるのか(爆発するのか、燃えるのか、触るとやけどするのか、毎日使うとがんになるのか等)あらかじめ知っておくことは大切です。
国際的に統一された分類の基準に従ってGHS分類を行うことで、その物質の危険有害性の種類と程度を知ることができます。
GHS分類の基本を解説します!
- ・GHS分類するってどういうこと?
- ・GHSにはどんな項目があるの?
- ・分類基準はどうなっているの?どうやって分類するの?
- ・分類を助けてくれるお役立ちツールはないかな?
このような疑問を解消するためにGHS分類の基本について学びましょう。
混合物のGHS分類の基本も解説します!
GHS分類のイメージがつかめてきたでしょうか。
自分たちは混合物の製品を扱っていて、混合物のGHS分類の方法がわからないとお悩みの方もいらっしゃると思います。
ここでは500ページを超える国連GHS文書にある混合物のGHS分類について、簡潔に説明します。
なお、日本国内でGHS分類を行うときには、通常、日本産業規格JIS Z 7252(GHSに基づく化学品の分類方法)が参照されるため、混合物についてはこのJISの内容に基づいて解説します。JIS
S 7252は、国連GHS文書に基づいて日本国内で標準化された規格です。
- ・混合物の分類にはどのようなデータや情報が利用できるの?
- ・混合物にはどのような分類方法があるの?
- ・混合物の分類を助けてくれるお役立ちツールはないかな?
このような疑問が頭に浮かんだときに、混合物の分類について考えるきっかけとして、 「混合物のGHS分類の基本(その1、その2)」をご活用ください。
ラベル表示とは?
ラベルとラベル表示
GHSにおけるラベル(Label)は、危険有害性のある化学品の危険有害性の種類や程度に関する情報が容器や包装に貼り付けられた(印刷、添付含む)ものです。
一方で、GHSでは、作業場においてはラベルの情報を個々の容器上に付すのではなく、作業区域内に表示することもできるとされており、このような方法も含めて、危険有害性に関する情報を表示することをラベル表示(Labelling)と言います。
GHS対応のラベル表示を解説します!
- ・GHSのラベル表示って何?
- ・何があるとGHS対応のラベル表示になる?
- ・ラベル表示を読もう
- ・どうやってラベル表示の内容を決めるの?
- ・ラベル表示を活用しよう
GHS対応のラベル表示の疑問を解消して、ラベル表示を読んで化学物質管理に活用するために知っておきたいことをまとめた動画とスライドをご利用ください。
SDSとは?
SDSとは、安全データシート(Safety
DataSheet)のことです。化学品である製品について、製品名や供給者の他、その製品にどのような危険有害性があるのか、どのような成分が含まれているのか、安全に取り扱うためにはどのようなことに気を付ければよいのか、火事になった時、製品が漏出してしまった時等の緊急時にはどのように対応すべきかなどの情報が記載された文書です。
GHSが導入される前はMSDS(Material
Safety Data Sheet;製品安全データシート)と呼ばれていたこともあります。
SDSの役割
化学品の供給者は、当該品の危険有害性や安全な取扱い方法を記載したSDSを作成し、化学品を受け取る人(受領者)に交付します。その目的は大きく2つあります。
①労働者の安全確保
化学品の受領者は、当該品の危険有害性を把握して、実際の作業現場で安全に使うための注意事項を取り決め、それらの情報を労働者に伝えることで、労働者が化学品を安全に取り扱い、災害を未然に防止することに役立てます。
この一連の流れは、日本では労働安全衛生法でリスクアセスメントの実施として求められています。
②情報伝達
原材料メーカーが製造した化学品は、化学品を混合する調剤メーカー等による加工を経てエンドユーザーの川下企業に届きます。このように化学品が提供・受領されて流通する際に、当該品の危険有害性や含有成分等の情報はSDSによって川下側へ確実に伝達されます。
また、現場の作業者はラベル表示を見て、化学品の危険有害性情報や取扱いの注意事項を知ることができますが、緊急時等に安全な取扱いをするための詳しい情報はSDSで伝達されます。
SDSの例を見てみよう!
日本国内で流通するSDSの例を見ながらSDSを読むポイントをつかみましょう。
GHS分類/SDS/ラベルと法規制
- 労働安全衛生法(安衛法)
- 毒物及び劇物取締法(毒劇法)
- 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法、化管法)
適用法令 | SDS提供 | ラベル表示 | 参考サイト |
---|---|---|---|
労働安全衛生法 | 義務 | 義務 |
職場のあんぜんサイト
(厚生労働省ホームページ) |
毒物及び劇物取締法 | 義務 | 義務 |
毒物および劇物取締法
(毒劇法) (国立医薬品食品衛生研究所 ホームページ) |
特定化学物質の環境への 排出量の把握等及び 管理の改善の促進に関する法律 |
義務 | 努力義務 |
化管法SDS制度
(経済産業省ホームページ) |
SDSの提供やラベル表示が必要な化学品はそれぞれの法律においてリスト化されています。
ただし、安衛法においては、リストに含まれていない物質であっても、事業者が使用する物質のうち、GHS分類結果として物理化学的危険性又は健康有害性の危険有害性区分が付与される全ての化学物質及びそれを含有する混合物、物理化学的危険性又は健康有害性の危険有害性区分が付与される全ての混合物についてもSDSの提供とラベル表示が努力義務とされています。
なお、SDSは、提供の義務や努力義務が課されていない化学品についても、上述の3つの法律以外の法令等に関する情報や輸送上の注意事項等を伝達するツールとして自主的に使用されることがあります。
GHS分類/SDS/ラベルをもっと学びたい
GHS分類やSDS/ラベルのことをもっと学びたい、わからないことを解決したいときにはこちらを参考にしてください。
こんなことを調べたいときは GHSをもっと知りたい ラベル表示をもっと知りたい SDSをもっと知りたいGHS分類、SDS・ラベル作成のご依頼
社内製品のSDSを作りたいので手本となるSDSを作ってほしい、GHS分類やSDSについてもっと詳しく知りたいのでオンサイトセミナーをしてほしい等のご要望がございましたら、こちらまでお問い合わせください。