当サイトの内容の理解の助けとなることを目指し、化学物質のリスク評価のページ及びGHS分類・ラベル表示・SDSのページに登場する用語について、当サイトのオリジナル解説をつけました。
知っているつもり…の用語の意味も確認してみませんか?
また、NITE化学物質管理用語集、職場のあんぜんサイト(有害性・GHS関係用語)に説明がある用語はリンク先もご利用ください。
GLOSSARY
SDS(安全データシート)えすでぃーえす
感作性かんさせい
危険性きけんせい
危険有害性きけんゆうがいせい
ある化学品がもつ固有の悪影響のことです。
化学物質のリスク評価においては、危険性及び/又は有害性の総称で使われることがあります。
GHSにおいては、
①物理化学的危険性(爆発する、空気に触れると発火する等)
②健康に対する有害性(アレルギー反応を起こす、がんが生じる等)
③環境に対する有害性(水生生物に害を及ぼす等)
を総称した用語として使われ、①について危険性、②と③について有害性ということもあります。
GHSの危険有害性の種類等の詳細は国連GHS文書の本文、JIS Z 7252/JIS Z 7253をご覧ください。
NITE用語集 | ハザード |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
危険/有害性(ハザード) |
危険有害性クラスきけんゆうがいせいくらす
GHSで使われる用語です。GHS分類の対象となる危険有害性の種類を表す項目のことです。物理化学的危険性には「引火性液体」等の17項目、健康に対する有害性には「発がん性」等の10項目、環境に対する有害性には「水生環境有害性」等の2項目が設定されています。
国連GHS文書では全てHazard classと表記されていますが、日本語訳やJIS Z 7252/JIS Z 7253では物理化学的危険性の項目を「危険性クラス」、健康に対する有害性及び環境に対する有害性の項目を「有害性クラス」と示すことがあります。
各危険有害性クラスの詳細は国連GHS文書の本文をご覧ください。
NITE用語集 | ― |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
危険有害性クラス |
危険有害性情報きけんゆうがいせいじょうほう
化学物質管理の分野では化学品の危険有害性に関する情報を指します。
GHSにおいては、GHS分類の結果に基づき、危険有害性クラスとその区分に対して割り当てられた定型の語句で、化学品の危険有害性の性質と程度を端的に表します。
危険有害性情報の例(黒太字部分)
【引火性液体】
区分1:極めて引火性の高い液体及び蒸気
区分2:引火性の高い液体及び蒸気
区分3:引火性液体及び蒸気
区分4:可燃性液体
【皮膚感作性】
区分1:アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
その他、GHSで規定されている危険有害性情報の文言については、国連GHS文書の本文、JIS Z 7253をご覧ください。
NITE用語集 | ― |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
危険有害性情報 |
急性毒性【人の健康影響の評価に用いられる場合】きゅうせいどくせい
区分くぶん
経口ばく露けいこうばくろ
誤えん有害性ごえんゆうがいせい
GHSで使われる用語です。誤えん有害性とは、化学品の誤えんによって、肺炎や肺損傷等の重篤な影響が生じることを指します。
一般的に誤えんは口から食べたり飲んだものが食道ではなく気管や下気道に侵入することを言いますが、GHSにおける誤えんは、液体や固体の化学品が口や鼻腔から直接的に気管等に侵入することの他、嘔吐による間接的な侵入も含まれます。
誤えん有害性は「Aspiration hazard」の日本語訳で、改訂6版までは「吸引性呼吸器有害性」と訳されていましたが2017年に発行された改訂7版から訳が変更になりました。
NITE用語集 | ― |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
吸引性呼吸器有害性 |
GHSじーえいちえす
GHS分類じーえいちえすぶんるい
刺激性しげきせい
JIS Z 7252じすぜっと7252
JIS Z 7253じすぜっと7253
シンボルしんぼる
水生環境有害性すいせいかんきょうゆうがいせい
GHSで使われる用語です。GHSにおいて、水中に生息する魚やミジンコ等の生物が化学品にばく露されることにより、悪影響が現れる性質のことをいい、短期(急性)と長期(慢性)の2種類があります。
水生環境有害性 短期(急性)は、水中に生息する魚やミジンコ等の生物が化学品に短期間(例えば24~96時間)ばく露されることにより、死に至る、正常に泳げなくなる等の影響が現れることをいいます。
水生環境有害性 長期(慢性)は、水中に生息する魚やミジンコ等の生物が化学品に長期間及び/又は継続的にばく露されることにより、個体の成長が遅れる、産卵数が減少する等の悪影響を生じる性質をいいます。
NITE用語集 | ― |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
水生環境有害性 |
生殖毒性せいしょくどくせい
注意書きちゅういがき
注意喚起語ちゅういかんきご
濃度限界のうどげんかい
GHSに基づいて国内標準として規定されたJIS Z 7252及びJIS Z 7253で使われる用語です。
混合物のGHS分類において、含有される個別成分の危険有害性に基づいて分類する場合に使用する成分の含有濃度の限界値(基準値)のことです。
危険有害性クラスごとの濃度限界の値等の詳細はJIS Z 7252をご覧ください。
NITE用語集 | ― |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
― |
ばく露ばくろ
化学物質管理の分野においては、人や生物が化学品等にさらされることをいいます。「ばく露」の程度を数字で定量的に表す際には、多くの場合、「ばく露量」あるいは「ばく露濃度」と表現されます。
例えば、ある化学品Xを100 mg、皮膚に塗った場合の適用量(投与量、さらされた量)は100 mgですが、体内に取り込まれる量(摂取量)は100 mgよりも少ないことがあります。これはさらされた全量が体内に取り込まれるとは限らないためです。「ばく露」は適用や投与の意味で使われることも、摂取の意味で使われることもあります。また、「ばく露」は、「暴露」や「曝露」と表記されることもあります。
NITE用語集 | 暴露 |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
― |
ばく露経路ばくろけいろ
ばく露評価ばくろひょうか
発がん性はつがんせい
皮膚刺激性ひふしげきせい
皮膚腐食性ひふふしょくせい
有害性ゆうがいせい
ある化学品がもつ、生物(動物、人、環境中生物等)や環境に悪影響を与える固有の性質をいいます。毒性といわれることもあります。
NITE用語集 | ハザード |
---|---|
職場のあんぜんサイト 有害性・GHS関係用語 |
危険/有害性(ハザード) |
ラベルらべる
ラベル表示らべるひょうじ
ラベル要素らべるようそ
リスクりすく
化学物質管理の分野で使われる「リスク」は、化学品によって爆発等が起こり安全を脅かす可能性や人や環境中の生物等に悪影響を及ぼす可能性を指します。
本サイトの「化学物質の「リスク」はどのように評価するのか?」のページでは、主に化学品が人や環境中の生物等に悪影響を与える可能性に着目しています。「リスクがある」とは「悪影響が起こる可能性がある」ことを意味します。
リスクアセスメント(安衛法)りすくあせすめんと
リスク管理りすくかんり
リスク評価りすくひょうか
本サイトの「化学物質の「リスク」はどのように評価するのか?」における「リスク評価」は、有害性評価とばく露評価の結果から科学的な方法に基づいて、化学品が人や環境中の生物等に対して悪影響を引き起こす可能性の程度(大きさ)を判断することをいいます。 一方、より広義には、化学品によって爆発等が起こる可能性の程度を判断することを含む場合があります。