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G-column は広範囲の流速設定が可能です。キャリヤーガスには、窒素を使うこともできますが、ヘリウムを用いることで、より広い流速で高い分離能を得ることができます(Fig.1)。G-column の最適流速範囲は10〜20 mL/minです。
キャピラリー専用ガスクロマトグラフを用いる場合は、スプリット/スプリットレス注入口でスプリットレス分析、又はオンカラム注入法で分析します。その際、キャリヤーガスの流速を約10 mL/min以上に設定すると、試料はスムーズにカラム内に導入されます。
大口径のG-column はマスフローコントローラーのデジタル設定表示と異なる場合があります。再現性の良い分析結果を得るには実際の流速を算出することです。非分配成分の保持時間t0 を測定してキャリヤーガス流速 f を算出するには、
G-column, 40 mにおいて、
例えば、メタンの保持時間が2.26分のとき流速は20.0 mL/minとなります。なお、この算出法では、メタンを保持しないことが前提となります。メタンは沸点が低く通常の使用では保持しませんが、高膜厚でカラム温度が低い場合やG-950はメタンを保持するので誤差が生じます。
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極微量分析では目的成分のピーク面積を得るために大量の試料を注入する必要があります。このようなとき注入口で気化した試料がカラム内に入るのに時間を要するためにピーク幅が広がり理論段数が低下します。G-column ではカラムへの試料導入をスムーズにするために内径0.53 mmのリードキャピラリーで使用することをお勧めします。
* リードキャピラリーの選択については、こちらをご覧ください → G-column とリードキャピラリーの接続
温度設定には恒温分析法と昇温分析法があります。
恒温分析法: | 一定の カラム温度で分析する方法。恒温分析の方が簡単で再現性が良い |
昇温分析法: | カラム温度を徐々に上げて分析する方法 。沸点差が大きい物質を複数含む 分析や分析時間短縮のために用いられる |
カラム温度は試料の沸点より低い温度に設定します。カラムの最高使用温度以下で試料成分が全て溶出すること、カラム内に試料が残留しないことが重要です。
安定してカラムを長く使用するためには不必要な高温条件での分析は避けるべきです。
G-columnはコンディショニングして出荷されますが、カラムの性能を発揮させ、再現性の良い分析結果を得るためには、分析前のコンディショニングが必要です。
高感度で微量分析を行なう場合にはコンディショニング時間を延ばすことによって良い結果が得られる場合があります。
分析終了後はコンディショニングを充分に行ない、試料がカラム内に残留しないようにします。カラム内を完全にキャリヤーガスで置換し、カラム温度が室温まで下がってからガスクロマトグラフから取り出します。
長期間使用しない場合は、保管状態での空気や汚染物質の混入に充分注意してください。G-columnの液相は化学結合型で安定ですが、空気や汚染物質の混入や温度変化により、経時劣化が生じることがあります。G-300は室温でも酸素による劣化が起こるので保管には充分注意が必要です。
リードキャピラリーとG-columnがしっかり接続されていて短期間であれば、そのまま保管しても問題ありませんが、一週間以上ならばリードキャピラリーにセプタム片などで栓をして両端を密閉してください。
保管後に使用する場合は室温でキャリヤーガスを充分に流してから昇温してください。
強極性のG-300はポリエチレングリコール(PEG)相当の液相をコーティングしています。熱劣化と酸素劣化のしやすい液相です。劣化が進むと茶色に変色し、最終的には液滴状になります。使用の際には以下のことに注意してください。
G-950は吸着型で25 μmの高膜厚のカラムです。そのためベースラインが安定しにくいことがあります。このような場合はコンディショニング時間を延長することで改善します。特に高感度分析に使用する際は充分行なってください。
液相量が多く、同じ液相でも最高使用温度が他の膜厚と異なります。G-950と同様、ベースラインが安定しないときはコンディショニング時間を延長することで改善します。特に高感度分析に使用する際は充分行なってください。