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L-columnシリーズについて

粒子径(粒径)の特徴と選択

充填剤の粒子径(粒径)の主流は5 μmですが、高分離、分析時間短縮及び有機溶媒使用量の削減を目的として3 μmや2 μmを使用する頻度が多くなりました。超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC: Ultra High Performance Liquid Chromatography)は、粒子径2 μm以下(サブ2 μm, sub 2 μm)の微粒子充填剤を用いたカラムを使用することにより、分析の高速化・高分離化が可能になりました。

粒子径と理論段数、カラム圧力の関係

理論段数は粒子径に反比例し、カラム圧力は粒子径の二乗に反比例します。粒子径を小さくすると、理論段数と分離度は大きくなるので、分離の改善が期待できます。粒子径を小さくすると、カラム圧力が高くなります。特に溶離液(移動相)を高流量で送液するUHPLCでは、高耐圧のカラムとLCシステムが必要になります。

タンパク質を同定する方法の一つに、ペプチドマッピングがあります。タンパク質をトリプシンなどの酵素で分解し、得られたペプチドをHPLCやLC/MSで分析し、得られたクロマトグラムやマススペクトルなどから同定する方法です。ピークがシャープで、検出するピーク数が多いほど、タンパク質の同定が確実になります。
ウシ血清アルブミン(BSA, Bovine serum albumin)を酵素分解して得られたペプチドのクロマトグラムでは、5 μmと比較し、2 μmは約1.4倍のピーク高さ、約1.5倍のピーク数が検出されました。

粒子径が小さくなると、カラム圧力が高くなります。また、カラム圧力はカラム長さに比例して高くなります。温度を上げると圧力の上昇を抑えることができます。
(グラフはカラムを含むLCシステム全体の圧力です)

 

粒子径と溶離液の最適線速度

理論段数は溶離液の線速度の影響を受けます。
下図は、各粒子径のVan Deemter plotです。理論段相当高さが低いほど、理論段数が高く、高分離である、ということになります。粒子径が小さいほど、理論段相当高さが最低となる溶離液の線速度が速くなり、その範囲は広くなるため、粒子径2 μmを使ったUHPLCカラムでは分析の高速化がはかれます。L-column シリーズの粒子径2 μmの最適線速度の範囲は、2 mm/sec〜4 mm/secになります。内径2.1 mmの場合、0.4 mL/min〜、内径3.0 mmの場合、0.8 mL/min〜が最適な溶離液流量の目安です。

 

粒子径の微細化による分析時間の短縮(超高速分析)と分離の向上

カラム長さを短くすれば分析時間の短縮が可能です。理論段数はカラム長さに比例するので、5 μmから粒子径をより小さくしたとき、同等の分離を得るには、次のようなカラム長さの選択が一般的です。

粒子径5 μmのカラムを基準にして、粒子径とカラム長さを変えて分析時間短縮と分離の向上を行った例です。粒子径が小さくなれば、溶離液の流量を増やしても理論段数の低下は小さいので分析時間の短縮が可能です。
(記載の圧力はカラムを含むLCシステム全体の圧力です)

詳しく知りたい方は技術資料も併せてご覧ください