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熱分析

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熱分析

 熱分析とは「一定の温度プログラムに従って、物質を加熱冷却したときに生じる物理量の変化を測定し、物理量を時間又は温度の関数として記録する分析法」です。
 示差走査熱量測定(DSC)、熱重量測定(TG)、熱機械分析(TMA)などの測定方法を活用することで種々の材料の熱的性質や劣化度を評価できます。

熱分析によって測定可能な項目は以下のものが挙げられます。

  • ガラス転移温度 (Tg)
  • 結晶化度
  • 融点 (Tm)※1
  • 脱塩化水素反応開始温度
  • 融解熱
  • 軟化点
  • 熱分解温度、熱分解速度
  • 比熱    
  • 残留ひずみ
  • 再加硫反応熱
  • 結晶化温度
  • 熱履歴

※1 融点測定
超高感度DSCを用いることで微量サンプルでも融点の測定ができます。

PMMAの線膨張係数測定

図1 HDPE(高密度ポリエチレン)の超高感度DSC測定結果

温度変調DSC測定
 温度変調DSCを用いることで、ガラス転移時に起こるエンタルピー緩和や融解時に並行して生じるアモルファスの結晶化などの重畳した熱的変化を分離して観測することができ、正確にDSCカーブ上の熱的変化を解釈することができます。

 

線膨張係数・軟化点

 熱機械分析装置(TMA:Thermal Mechanical Analysis)を用いて、線膨張係数、軟化温度の測定ができます。一般に、高分子材料の線膨張係数は金属などに比べて大きいため、温度変化が生じる環境下で高分子材料を使用する場合、線膨張係数の把握が重要です。
TMAは、物質の温度を調節されたプログラムに従って変化させながら、物質の寸法変化を測定する方法です。圧縮モード、引張モードを使い分けることにより、様々な材料の熱膨張・熱収縮、軟化点、ガラス転移や熱履歴等測定することができます。

対象試料 ゴム、プラスチック、セラミックス、金属 など
測定モード 圧縮 引張
バルク フィルム ファイバー
試料形状 バルク フィルム ファイバー
推奨 φ5mm×1〜5mm
最大厚さ20mmまで可
厚さ1mm以下
幅6mm
長さ15mm
長さ20mm
測定温度範囲 -150℃〜600℃
プログラム速度 0.01〜100℃/min
荷 重 0.001〜1.0N

 

  • 測定事例

 ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の線膨張係数測定

ポリメタクリル酸メチル(PMMA)の線膨張係数測定

図2 PMMAのTMA測定結果

 

酸化開始温度測定・酸化誘導時間測定

 酸化開始温度(Initial Oxidation Temperature: IOT)測定及び酸化誘導時間(Oxidative Inductive Time: OIT)測定はいずれも高分子材料の劣化度の相対評価に使用できる分析法です。どちらも示差走査熱量計(DSC)により測定しますが、IOT測定は昇温法、OIT測定は等温法という違いがあり、劣化評価を目的とした場合、測定に必要な試料量が少なく、測定精度も良好なIOT測定はOIT測定よりも優れた手法です1-2)
 熱劣化処理前後のエチレンプロピレンゴム(EPDM)のIOT測定結果を図3、FT-IR法による酸化劣化度の測定結果を図4にそれぞれ示します。IOT測定はFT-IR法と比較して、EPDMの初期の劣化を検出しやすい手法といえます3)

DSCによるIOT測定結果FT-IRによる酸化劣化度の測定結果
図3 DSCによるIOT測定結果図4 FT-IRによる酸化劣化度の測定結果

本機構職員の研究成果の例
1) 仲山和海;渡邊智子;大武義人;古川睦久 日本ゴム協会誌 200881,447.示差走査熱量計による昇温法と等温法の測定値の精度検討と劣化検出
2) 仲山和海;渡邊智子;大武義人;古川睦久 日本ゴム協会誌 200881,467.酸化開始温度による加硫ゴム,プラスチックの劣化評価
3) EPDMの高感度な定量的劣化検出方法の検討 生永由香里、仲山和海ら 日本ゴム協会エラストマー討論会,2013;発表番号C-1