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粘弾性

動的粘弾性 測定事例9

一般化マクスウェルモデル近似及び離散型緩和スペクトル算出〜樹脂(高密度ポリエチレンHDPE)の緩和成分分離〜


●高密度ポリエチレン(HDPE)のマスターカーブ(基準温度160℃)

一般化マクスウェルモデル近似を行うための周波数依存性のデータを用意する。
ここでは基準温度160℃におけるHDPEのマスターカーブを使用する。作成方法は、温度時間換算則測定事例8を参照


図1 HDPEのマスターカーブ(基準温度160℃)
●一般化マクスウェルモデル近似

マスターカーブを一般化マクスウェルモデル近似により、i=9項の緩和成分に分離する。
(式1、式2中のτiは各緩和成分の緩和時間、ωは周波数、Gi(G1〜G9)は各緩和成分の緩和弾性率、G’は貯蔵弾性率、G”は損失弾性率である。)
9項に分離した緩和成分(G’1〜G’9及びG”1〜G”9)を全て足し合わせた近似値は、測定値をよく再現している。
各緩和成分の緩和弾性率Giは、貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”への近似を行うに当たり、同じ値を用いる。


参考文献:講座・レオロジー、日本レオロジー学会編、高分子刊行会

図2 貯蔵弾性率への一般化マクスウェルモデル近似(試料:HDPE、基準温度160℃)

図3 損失弾性率への一般化マクスウェルモデル近似(試料:HDPE、基準温度160℃)
●HDPEの離散型緩和スペクトル(基準温度160℃)

一般化マクスウェルモデル近似で用いた各緩和成分の緩和時間τiと緩和弾性率Giをプロットする。
これを離散型緩和スペクトルと呼ぶ。
緩和時間は、変形させた構造が元に戻るまでの時間であり、構造の大きさを表す。例えば分子量などに相当する。
緩和弾性率は、各緩和成分がどのくらい存在しているかを表現している。


図4 HDPEの離散型緩和スペクトル (基準温度160℃)

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