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表面分析・局所分析

イメージングIR分析

イメージングIR分析とは

 フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)において、複数の素子からなる検出器を用いて試料を測定し、面内の成分分布測定を行う分析法です。複数箇所の赤外吸収スペクトルを一度の測定で得ることが可能です。
イメージングIRには次の利点があります。

  • 官能基の二次元分布から可視的に材料の評価が可能
  • 材料表面に存在する異物を非破壊で分析できる
  • ATR法では数μmの空間分解能で測定が可能

 

分析事例
  • 積層フィルムに使用されているポリマー種の定性分析

 イメージングIRを用いて食品包装フィルムの断面を測定した結果、ポリプロピレン(PP)/ポリアミド(PA)/ポリエチレンテレフタレート(PET)の3層から構成されるフィルムであることが判明しました。このようにイメージングIRは、積層フィルムの層構造の解析、面内に分布している異物の分析等のように可視的な材料評価に有用な手段です。

食品包装フィルムの二次元イメージング画像
食品包装フィルムの二次元イメージング画像
  • 高分子材料の深さ方向の劣化分析

 イメージングIRは、高分子材料の深さ方向の劣化評価にも有効です。例として、経年劣化により黄変した白色の樹脂製品について、表面近傍を切り出し、切断面のイメージングIR測定を行いました。IRスペクトルにより、製品に使用されているポリマーはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)で、表面近傍は内部と比較してヒドロキシ基(O-H基)やカルボニル基(C=O基)による吸収が増大していることから、酸化劣化が進行していることがわかりました。また、ポリマー中のニトリル基(C≡N基)の吸収に対するC=O基の吸収強度比のIRイメージより、表面から深さ約270 μmにかけて酸化劣化が進行しており、特に表面から深さ約100 μmにかけて劣化度が大きいことがわかりました。

黄変したABS製品の表面近傍切断面のIRイメージ及びIRスペクトル
黄変したABS製品の表面近傍切断面のIRイメージ及びIRスペクトル

 

問合せ先

受託測定をご希望の方は、以下の電話番号に直接お電話いただくか、こちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

電話でのお問合せ
 0480-37-2601 (東京事業所 高分子技術部門)
 052-761-1185 (名古屋事業所)
 06-6744-2022 (大阪事業所)