せん断速度依存性測定は、せん断粘度のせん断速度依存性を評価できます。
図は、一般的な高分子材料のせん断速度依存性の概略図です。せん断速度依存性は、時間依存性測定(せん断速度一定)で得られた平衡粘度を各せん断速度に対しプロットします。粘度曲線の変曲点、下がる度合いによって、材料のシェアシニング性(粘度がせん断速度に依存して減少する性質)を評価することが可能です。
プラスチック成形加工分野では、CAE成形加工業界で広く使用されているComputer Aided Engineeringの略、実試験・実成形をせずにPCで変形・成形シミュレーションし、製品の物性・成形の良し悪し等を予測する技術。解析用の粘度データとしても用いられ、回転レオメータ(ARES-G2、RPA2000)で低せん断速度域(図中実線)を測定し、キャピラリーレオメータ(RH2200)で高せん断速度域(図中破線)を測定し、せん断速度依存性(フローカーブ)を作成します。
ただし高粘度材料のせん断速度依存性測定を回転レオメータで行うと、サンプルがねじ切れ、滑り、飛散を生じるため、測定が出来ません。通常、高粘度材料のフローカーブが必要な場合は、周波数依存性測定での粘度評価を行います。