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粘弾性

ARES-G2

 動的粘弾性測定装置ARES-G2は、振動モード及び回転モードでの測定が可能な回転式レオメータです。広範囲なトルクレンジを有しており、液体〜固体までの多岐にわたる試料が測定対象です。

  • 図1 ARES-G2の外観例
    図1 ARES-G2の外観

・ねじり振動モード

 ジグの間に取り付けた試料に振動による周期的なひす゛みを加え、応答としてのせん断応力の波形とそれらの位相差から、貯蔵弾性率や損失弾性率、損失正接等の項目を測定します。

・回転モード

 材料の“流れに対する抵抗”及び“力に対する変形し易さ”、つまり、粘度特性及びクリープ特性を評価するために用いられる測定方法です。

 時間依存性測定(せん断速度一定):ジグを一方向に回転させて試料に流動を発生させ、生じた応力(トルク)を測定することで、粘度(η)を求めます。

 クリープ測定:ジグを一方向に回転させて試料に応力を発生させ、生じた流動速度を測定することで、クリープコンプライアンス(J)を求めます。

 応力緩和測定:ジグを一方向に瞬間的に回転させて試料に変形を発生させ、生じた応力(トルク)の時間変化を測定することで、緩和弾性率(G(t))を求めます。

  • 振動モード回転モード
    図2 振動モード(左)と回転モード(右)の概略図

 粘度特性を正しく評価するためには、材料や実作業時の速度を考慮する必要があります。

 図3に様々な材料のせん断速度範囲を示します。評価したい作業項目において、各材料にどの程度のせん断速度が加わるのかを考慮し、測定を実施します。

  • 図3 実際作業のせん断速度と粘度計の測定せん断速度範囲(レオロジー工学とその応用技術, 監修 中江利昭, フジ・テクノシステム,  p.276 図9参照)
    図3 実際作業のせん断速度と粘度計の測定せん断速度範囲
    (レオロジー工学とその応用技術, 監修 中江利昭, フジ・テクノシステム, p.276 図9参照)

 ARES-G2の装置仕様を表1に示します。

表1.ARES-G2の装置仕様及び測定項目

装置名 TA Instruments社製 ARES-G2
温度範囲 -100 〜 500 ℃
オーブン ペルチェオーブン
FCOオーブン
測定モード ねじり振動モード(せん断)
回転モード
周波数 1.6×10-8 Hz 〜 100 Hz
最大荷重 20 N (2000 g)
トルク 5×10−4 〜2000 g・cm
ジグ 共軸二重円筒
コーンプレート
パラレルプレート
トーションレクタンギュラー
ソルベントトラップカバー
ペルチェ浸漬リング
 
測定対象 ゴム
プラスチック
複合材料
金属
食品
塗料
化粧品
医薬品
セメント
セラミックス
接着剤  他
試験規格 JIS K 6394, JIS K 7244-4, JIS K 7244-7, JIS K 7244-10, JIS Z 8803 他
測定項目 動的せん断複素弾性率 G*
動的せん断貯蔵弾性率 G’
動的せん断損失弾性率 G”
損失正接 tand
複素粘度η *
粘度η他
代表的な
測定内容
温度依存性周波数依存性ひずみ依存性・時間依存性測定(周波数一定/せん断速度一定)・LAOS測定及び解析・フローカーブ測定 他