温度依存性測定では、材料の粘弾性の温度依存性が評価できます。貯蔵弾性率だけでなく損失弾性率及び損失正接と合わせて評価することで、材料の実使用温度環境での力学的な振舞いを評価し、材料設計時の参考にします。
図は、一般的な非晶性材料の貯蔵弾性率の温度依存性の概略図です。図中の貯蔵弾性率は、4つの温度領域に分類されます。
それぞれ@ガラス領域(ガラス転移温度Tgより低い温度領域)、Aガラス転移領域、Bゴム領域、C流動領域と呼ばれます。
@〜Bの温度領域をDMA測定装置(RSA-G2、DMA+1000)で測定します。B〜Cの温度領域を回転レオメータ(ARES-G2、RPA2000)で測定します。
温度依存性測定では、昇温及び降温速度、周波数に依存して結果が変わり、材料固有の性質ではないため、比較する際には昇温及び降温速度、周波数によって結果が変わることを考慮する必要があります。材料固有の性質で比較をする場合、周波数依存性測定を行い、温度時間換算則を適用します。