時間依存性測定(せん断速度一定)では、せん断粘度の時間依存性及びせん断速度依存性を評価できます。
図1は、粘度の時間依存性の概略図です。測定は、温度及びせん断速度を一定で行います。液体及び粘弾性液体の粘度測定によく用いられ、B型粘度計、回転レオメータ(ARES-G2 、RPA2000 )及びキャピラリーレオメータ(RH2200) で測定可能です。
粘弾性体は、粘度の平衡値がせん断速度によって変わります。せん断速度に対してそれぞれの平衡値(図中の各●)をプロットすることで、せん断速度依存性(フローカーブ) の図を得ることができます。せん断速度依存性(フローカーブ)は、平衡状態までの時間依存性の情報がなくなります。
時間依存性測定(せん断速度一定)では、非線形ひずみ領域の評価も可能です。
材料内部に構造を形成する材料では、図2の様に粘度の時間依存性において降伏(上に凸の曲線)を示すことがあります。この降伏の頂点(図2の赤色●)の応力(=粘度×せん断速度)を降伏応力と呼びます。
弱い凝集力を持った分散系材料では、図3の粘度の時間依存性のせん断速度0.01 (1/s)のような粘度の上昇が見られます。高速せん断を与えた又はサンプルセットなどで内部構造が壊れ、低速のせん断で分散材が衝突することで再凝集し粘度が上昇します。このような挙動をレオペクシーと呼びます。