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JCSS制度について

標準物質の必要性

標準物質はなぜ必要か

 質量を量るには分銅、長さを測るにはものさしが必要です。化学物質の濃度を測定するには標準物質が必要になります。
化学の世界で、ある物質の濃度を正確に決定したいとき、非常に重要なのが実はものさし代わりになる標準物質の濃度や不確かさです。

 JCSS標準ガスの使い方  JCSS標準ガスを使用するメリット

国家標準にトレーサブルとは

 近年、グローバル化に対応するべく、あらゆる場面で国家標準にトレーサブルな標準物質が必要とされています。それは商取引や規制の枠は世界を相手とする時代となり、化学データひとつひとつの正確さが重要な意味を持つためです。客観的な評価を下すため、保証のあるデータを得るため、さらにスムーズな貿易を実現するために、国家標準にトレーサブルな標準物質は不可欠なものなのです。
 当部門では、計量法トレーサビリティ制度(JCSS)のもとで標準ガス及び標準液に関わる指定校正機関として標準物質の供給を行っています。即ち、我々の主たる業務は、SIにトレーサブルな手法で調製したガス・液の特定標準物質(国家一次標準物質)を維持・管理することです。また、独立行政法人製品評価技術基盤機構が認定した登録事業者が調製した標準物質を、特定標準物質を用いて校正し、特定二次標準物質とします。登録事業者は、この二次標準物質を用いて実用標準物質の計量計測トレーサビリティを確立します。
 このように、登録事業者から供給されるJCSS標準物質は、国家標準にトレーサブルとの観点から標準物質として価値を有することを理解していただきたいと思います。

  • 標準物質のトレーサビリティ体系図

Key Comparison(基幹比較)

 1995年国際貿易機関(WTO)ウルグアイラウンドにおいて協議された「貿易に伴う技術的障害に関する(TBT)協定」により、技術的障害を排除する手段として国際標準化及び地域標準化を進めることとなりました。
 国際標準化を進めるため、国際度量衡局(BIPM)を中心に各国の持つ国家計量標準の同等性を評価する活動(key comparison)が進められています。当部門は、国立研究開発法人産業技術総合研究所から指名された指名計量標準機関(DI, Designated Institute)として、年1〜2回のペースで物質量諮問委員会(CCQM)のワーキンググループ会議に参加しています。各国が国家標準を比較しあうことで、お互いの技術能力を検証し、計量標準の国際相互承認協定(CIPM MRA)への礎を築いています。