G-column は液相の種類および膜厚により、使用温度範囲が異なります。分析対象物質を含む試料の沸点が、そのカラムの使用温度範囲内にあること(その物質の沸点がカラムの最高使用温度より10~20℃低い方が実用的です)が選択の前提条件です。次に物質の極性、化学構造を参考に液相を選択します。
液相の選択
極性
一般に分析対象の物質の極性に近い液相を選択します。
G-column では、G-100 が無極性であり、G-205、G-230、G-250、G-300の順に極性が強くなり、無極性物質の分析ではG-100、強極性物質にはG-300がよく使われます。無極性カラムのG-100は沸点差が大きい物質の分離に適しています。沸点差が小さい物質では極性カラムを用います。2,6-Dimethylphenolや2,6-Dimethylanilineの極性物質は液相の極性が強くなるほど保持が大きくなり、逆に無極性のDodecane、Tridecaneは液相の極性が強くなるほど保持が小さくなります。
一般に無極性カラムは耐熱性が高く、昇温分析時のベースラインのドリフトが小さくなります。高感度分析には無極性カラムが適しています。
π-π 相互作用
液相と試料の π-π 相互作用により保持が特異的に増大します。G-205、G-230、G-250は順に5%、30%、50%のフェニル基を含む液相ですが、Naphthaleneの保持挙動は液相のフェニル基との π-π 相互作用によるものです。
水素結合
水素結合は液相と試料との相互作用で最も強い因子です。G-300における1-Octanolや2,6-Dimethylphenolの保持が著しく大きいのは、液相のポリエチレングリコール末端のヒドロキシ基と試料成分の持つヒドロキシ基の相互作用によるものです。アルコールなど、官能基にヒドロキシ基を持つ物質の保持を大きくするには、G-300を選択します。

液相膜厚とカラム長さの選択
液相膜厚
膜厚が厚くなるほど保持時間(tR)が大きくなります。低沸点物質の分析には、膜厚の厚いカラムを選択します。G-column では、G-100とG-205の膜厚5 μmおよびG-950が適しています。反対に膜厚が薄くなるほど保持時間が小さくなります。高沸点物質には、膜厚の薄いカラムを選択します。G-column では、0.1~0.5 μm(0.1 μmはG-205 のみ)が適しています。
膜厚を厚くすることにより、試料負荷量が大きくなり、分析試料のオーバーロードを防ぐことができます。膜厚の薄いカラムは昇温分析時のベースラインのドリフトが低く、逆に膜厚の厚いカラムは高くなります。高感度分析にはより膜厚の薄いカラムが適しています。
カラム長さ
カラム長さが2倍になると、理論段数(N)は約2倍になります。Tridecaneの保持時間が同じになるようにカラム温度を設定して比較したクロマトグラムです。カラム長さが長いほど理論段数が高くなるので、試料の分離を最優先したい場合、長いカラムを選択します。G-column のカラム長さは最長40 mです。最初に40 mで分析し、分離が十分であれば、カラム長さを短くして、分析時間短縮をすることができます。
