L-column シリーズの使い方/トラブルシューティング

溶離液を置換するときの注意事項を教えてください。

まず溶離液を置換するときに注意しなければならないのが置換前後の溶離液の相溶性です。急激な有機溶媒比率の変化は、カラム圧力が大きく変動します。カラム圧力が急激に上昇しないように、有機溶媒比率は徐々に変え、送液は分析時と同じか、それ以下にしてください。次に溶離液に塩を含む場合ですが、有機溶媒の比率を上げると塩が析出する可能性があります。有機溶媒100%の溶離液Aから、塩を含む溶離液Bに置換する場合、Bと同比率の水/有機溶媒で流路やカラム内を置換してから、溶離液Bを送液します。カラム内を置換するには、カラム容量の約10倍の送液が必要です。内径4.6 mm, カラム長さ150 mmの場合、1 mL/minで約20分送液すれば、カラム内は十分置換されます。イオンペア試薬を用いる分析やや高感度分析では、ベースラインが安定するまで、更に送液が必要なときがあります。

カラム洗浄の方法を教えてください。

カラム洗浄が必要となるのは、カラム内に残留物がある場合や長期間保管する場合などです。以下に例を挙げます。
分析カラムサイズ: 内径4.6 mm, カラム長さ150 mm
分析移動相: メタノール/20 mmol/L リン酸(50/50)
洗浄方法:
①①メタノール/水(50/50)で1 mL/minで約20分送液する
②メタノールの比率を徐々に上げる
③メタノール100%で1 mL/minで約20分送液する
メタノールで洗浄できないような脂溶性物質がカラム内に残留しているとき、溶出力の強いアセトニトリルやイソプロパノールを更に送液します。カラム入口付近の残留物を除去する場合は、分析時と逆方向に取り付け、洗浄をした方が効果的ですが、頻繁に送液方向を変えるのは控えた方がよいでしょう。

保管するときの注意事項を教えてください

洗浄後、アセトニトリルまたはメタノールでカラム内を満たし、カラム内の溶媒が揮発しないように付属のプラグでしっかり密閉し、温度変化の少ない実験室などで保管してください。出荷時のカラム封入溶媒(テストレポートの溶離液)での保存を推奨します。再度使用する際は、塩を含まない溶離液を、通常の半分程度の流速で送液してください。

カラム圧力が上がってしまいました。どう対処すればいいですか?

カラム圧力が上がる場合、カラム入口側に異物が蓄積しています。分析時と逆方向に取り付け、カラム洗浄をしてください。ただし、このような異物は簡単に除去できないことが多いので、ある程度洗浄してもカラム圧力が下がらないときは、交換をお勧めします。このようなことが頻繁に起こる場合には、ガードカラムを使用してください。

一般的なカラム性能のチェック方法を教えてください。

カラムに添付されているテストレポートに記載されている条件でナフタレンを分析します。クロマトグラムから得られる数値は使用する機器や計算方法により、多少異なります。カラム圧力、保持時間、ピーク形状、理論段数をテストレポートと比較すれば、どの程度性能維持されているかの目安になります。

カラム交換の目安はありますか?

L-column シリーズは、初期性能の90%以下になった場合を、耐久性試験での性能劣化の目安にしていますが、分析の目的や精度に応じて、個々の分析に合った基準を設けてください。例えば、ピーク割れが起きた、ピークがテーリングし始めた、分離していた2つのピークについて必要な分離が得られなくなった等です。

ODSカラムは溶離液組成が水系100%で使えないと聞きます。L-column シリーズは使えますか?

使えます。水系100%で性能劣化することはありません。ただし、送液を止め、カラム圧力が下がると、保持時間が極端に短くなる現象が生じ、再現性がなくなることがあります。このような場合、アセトニトリルまたはメタノールを60%程度含む溶離液で送液後、そのまま送液を止めずに分析することで、再現性が得られます。このような分析条件の場合、脂溶性物質が入口側に蓄積しやすいので、有機溶媒の送液は洗浄効果も期待できます。

L-column シリーズの使用温度の上限は何℃ですか?

汎用のカラムオーブンの温度範囲(10~80℃)で使えます。ただし高温での長時間使用はカラム寿命が短くなります。中性より高いpHの溶離液では、40℃以下での使用をお勧めします。

アルカリ性移動相を用いた分析に最適なカラムはありますか?

L-column 3 C18 はpH 1からpH 12まで使用できるカラムなので、アルカリ性溶離液を用いた分析にも適しています。

なぜL-column 3 C18 はpH 1からpH 12まで使用できるようになったのですか?

新しく開発した耐アルカリ性の高いシリカ(Perfectly Chemically Stable Silica)と耐久型高度エンドキャッピングを組み合わせることで、pH 1からpH 12まで使用可能なカラムが実現いたしました。

使用できるアルカリ性溶離液は、どのようなものがありますか?

例えば、リン酸緩衝液、ホウ酸、炭酸緩衝液、アンモニア水があります。例えば、LC/MSでも使用できる「5 mmol/L 水酸化アンモニウム」の場合、0.1 mol/L アンモニア水5 mLを水で100 mLにメスアップして調製します。

アルカリ性溶離液を使用するときに注意する点がありますが?

使用するLCやLC/MSを耐アルカリ性の部品に交換する場合があります。詳しくは機器メーカーにお問い合わせください。アルカリ性溶離液を使用した後は、添加剤を含まない溶液でカラムを含む流路を洗浄してください。詳しくはQ2.をご覧ください。

G-columnの使い方/トラブルシューティング

G-column に溶媒を流して洗浄することは可能ですか?

できません。G-column の液相は化学結合型ですが、内径0.53mm以下のキャピラリーカラムに比較して、液相量が多いため、溶媒を流すと剥離する場合があります。

G-column は大量注入できると聞きましたが、どの位の量まで注入できますか?

試料が気体の場合、ワンタッチインサート(GCがキャピラリー仕様の場合はライナー)の容量以上を注入すると、オーバーフローします。1 mL程度を目安にしてください。試料が液体の場合、気化したときの容積が問題となります。

G-column の取り付ける方向は決まっていますか?

方向は決まっていませんが、使用毎に変えない方がよいでしょう。不揮発性物質など、分析に悪影響を及ぼす物質はカラムの入口側に蓄積します。蓄積物が原因と懸念されるゴーストピークやドリフトは、カラムの入口側の数巻を切り取ると回復することがあり、性能への影響を最小に抑えることができます。

G-column で水を注入する場合の注意事項を教えてください。

気化した水はFIDでは検出されませんが、t0付近(ホールドアップタイム)で再現性のないピークが発生することがあります。分析対象成分と重ならないようにします。水が残っていると、性能の劣化を促進させます。分析後はコンディショニングを行い、水をカラム内から完全に除去するようにしてください。

G-column で空気を注入する場合の注意事項を教えてください。

室温付近では問題になりませんが、カラム温度が上昇すると、空気中の酸素が性能の劣化の直接原因になります。特に強極性カラムのG-300では細心の注意が必要です。例えば、初期温度を40℃に設定し、試料中の空気がカラム内を出てから昇温すると、酸素による性能の劣化の影響を抑制することができます。分析後はコンディショニングを行い、酸素をカラム内から完全に除去するようにしてください。

G-column に注入してはいけないものはありますか?

不揮発性物質です。注入前にカラム温度より沸点が低いことを確認してください(実際は、カラム内で圧がかかっているため、沸点より低い温度で気化します)。液相自体が劣化するになることは少ないですが、カラム入口側に蓄積し、性能が低下します。

G-column はキャリアーガスに窒素を使用できますか?

使用できるキャリアーガスは、一般的なキャピラリーカラムと同じ、窒素、水素、ヘリウムです。窒素はヘリウムに比較し、最適流速範囲が狭くなります。ヘリウムから窒素に換える場合、分析時間を同じにすると、理論段数と分離度が小さくなります。理論段数と分離度を同じにすると、分析時間が長くなります。窒素は不純物として酸素が含まれるため、酸素トラップを必ず併用してください。G-column 自体は水素も使用可能ですが、ガスクロマトグラフが対応しているか、機器メーカーに確認してください。

G-column の性能が低下してきました。回復することは可能ですか?

異物の蓄積による性能低下の場合、コンディショニングで除去できれば、ある程度回復します。ただし異物を長期間放置していると、液相に悪影響を及ぼしている可能性もあるので、コンディショニングで除去できず、性能が回復しないことがあります。もちろん使用温度範囲以上の高沸点物質はコンディショニングで除去できません。このような高沸点物質は、カラム入口側に蓄積するので、カラム入口側の数巻を切り取ると回復することがあります。ただしG-300の酸素劣化による性能低下は、回復しません。

G-column の寿命はどの位ですか?

一概にはいえませんが、異物をカラム内に入れない、定期的なコンディショニング、最高使用温度から余裕を持った分析温度での使用などを心掛けると、長期間性能は維持します。例えばシリコン系であるG-100では、10年以上同じカラムを使用している、という事例もあります。一方で強極性カラムであるG-300では、カラム内の酸素を完全に除去せずに昇温したため、一週間で性能劣化した、ということもあります。一般に極性が高くなるほど寿命は短くなります。

ワンタッチインサートの中に折れたリードキャピラリーが残ってしまいました。取り除き方を教えてください。

出荷時のワンタッチインサートにはワイヤーが付属しています。ワイヤーで押し出すようにして取り除いてください。リードキャピラリーのポリイミド樹脂が焼けついている場合は、溶媒(アセトンなど)に浸して膨潤させてからワイヤーで押し出すと比較的簡単に取り除けます。やすりを使うとガラス表面に傷ができて、キャピラリーが止まりにくくなるので、絶対にお止めください。

ワンタッチインサートは洗浄できますか?

はい、洗浄できます。注入口側のワンタッチインサートは試料由来の異物が残留している場合があり、放置すると、分析結果に影響する場合があります。アセトンなど有機溶媒で洗浄すると効果的です。

ガスクロマトグラフの種類によって、ワンタッチインサートのサイズは違うのですか?

はい、違います。ワンタッチインサートはガスクロマトグラフの気化室と検出器のサイズに合わせています。外径はそのガスクロマトグラフに合ったガラスカラムと同じになります。同じメーカー・型式でも注入口にガラスインサートを用いる場合、注入口のワンタッチインサートは短いものになります。

購買に関すること/その他

価格表にないサイズは対応可能ですか?

カスタマイズで対応可能なサイズもございます。お問い合わせください。

製品の品質はどのように管理しているのですか?

クロマト技術部では、「ガスクロマトグラフィー用カラムおよび液体クロマトグラフィー用カラムの設計・開発、製造および供給」のISO 9001:2015(JIS Q 9001:2015)を取得しています。 原材料から各段階での製造工程の厳密なチェック・検査体制を維持し、カラム製品に関しては、全数検査を実施し、品質保証体制を確立しています。 品質の維持・向上に日々努め、ユーザーの皆様が安心してお使いいただける製品です。

海外で L-column は購入できますか?

はい。購入可能です。主な取引国や販売店はこちらをご覧ください → 購入方法

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