食品・医薬品・工業製品で認められる異物および付着物の受託分析を実施します。
また、異物と比較対象が同一かどうかの異同調査も対応可能です。
概要
食品や製品の品質向上、消費者からのクレーム対応の場面において、異物および付着物の成分特定が求められる機会が増加しています。異物および付着物の発生源は原料不純物、製造時の移行物、製品内部からの添加剤の析出(ブルーム物、ブリード物)、外部環境からの付着物、製造後に発生した変化物などさまざまであり、推定と異なる例も見受けられます。
当機構では豊富な実績で培われたノウハウと最新の技術を活用し、異物および付着物の受託分析並びに異同調査を実施しています。
通常納期は3日~5日(営業日)です。即日対応など短納期の試験も承ります。まずはご連絡ください。
ご相談の際には、下記項目に関する情報を準備いただくと、スムーズに進み、特定精度も向上します。
- 異物のサイズ (例:目視可能、数10 μm程度、など)
- 周辺の材料 (例:ポリエチレンに埋没、パン表面に付着、など)
- 発生状況 (例:換気配管に詰まっていた、特定ロットで発生、など)
ご依頼後は以下の流れで分析を実施します。また、より詳細な分析方法および分析例(異物/付着物)も掲載しています。
異物分析フローチャート(例)
お問い合わせフォームから詳細についてお知らせいただけると、御見積り、納期等、ご依頼についてより詳しくご説明します。
ステップ1
外観観察

デジタルマイクロスコープ(写真左)、SEM(電子顕微鏡)(写真右)などを使用し、異物の形態を拡大観察します。
ステップ2
定性分析

FT-IR(写真左、分析例)による化学構造解析と、EPMA(写真右、分析例)、SEM-EDXによる元素定性分析により、例えばタンパク質、接着剤、ステンレス等、異物の材質を大まかな種類まで絞り込みます。この段階で異物の正体、侵入経路を推定できるケースもあります。
ステップ3
詳細分析(有機物)

GC/MS法により有機物の種類を特定します。熱分解装置と併せ、低分子量の有機物からポリマーまで幅広い物質に対応可能です。
詳細分析(無機物)

X線回折法(XRD、分析例)により、結晶性の無機物の定性分析を行います。ICDD刊行の粉末回折データベースに基づき、岩石由来の物質を特定します。
分析結果のご報告
最短で即日のご報告も可能です。お気軽にお問い合わせください。
分析方法
| 項 目 | 説明および分析方法 |
|---|---|
| 外観観察、性状 | 異物の外観からは、色、光沢、形状の情報が得られます。塗料片、金属片、木片、紙片、繊維、生物由来のたんぱく質等の見当をつけます。また、硬さ、粘度からプラスチック、ゴム、粘着剤、油脂類等を推定します。 <分析方法の例> ・デジタルマイクロスコープ 色つきで最大2500倍の倍率で観察します。 ・生物顕微鏡 菌、カビ、虫等を色つきで鮮明に観察します。 ・走査電子顕微鏡(SEM) 表面の微細な凹凸等を観察します。 |
| 有機物の分析 (例:樹脂、ゴム、繊維、塗料) | 有機物と推定される物質は、分光法によってその主成分を特定します。さらに、GC/MS法、熱分解GC/MS法による成分特定等、必要に応じた詳細分析も可能です。 <分析方法の例> ・顕微鏡フーリエ変換赤外分光(FT-IR)法 主成分のプラスチック、ゴムの種類をおおよそ判別できます。 ・顕微鏡レーザーラマン分光法 μmオーダーの微小領域の異物を非破壊で分析します。 ・ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)法 データベース照合により揮発性有機化合物の物質名を特定します。 ・熱分解GC/MS法 熱分解物を同定することで、FT-IRでは不明であった化学構造に関する情報が得られます。 |
| 金属・無機物の分析 (例:金属片、ガラス、砂利) | 硬い異物、金属光沢を有する物質の成分を元素情報により特定します。異物の分離が困難な場合、表面と内部等部位ごとに元素組成を比較したい場合、元素の局在を分析することも可能です。 <分析方法の例> ・電子線マイクロアナリシス(EPMA)法 元素組成が分かります。μmオーダーの微小領域を測定可能です。 ・X線回折(XRD)法 無機物質の結晶構造に基づき、無機物質の種類を特定します。 ・蛍光X線(XRF)法 元素組成が分かります。EPMA法より広面積が対象です。大気圧でも測定可能です。 ・SEM-エネルギー分散型X線分析(EDX)法 元素分布イメージを取得します。 ・X線光電子分光(XPS)法 表面からnm深さ領域の付着物等元素情報が得られます。 |
| 生物の分析 (例:菌、血液) | 主に外観観察により実施します。菌類は培養後観察や遺伝子解析等により種の特定も可能です。タンパク質が検出された際には、ヒト・植物由来等詳細な解析も可能です。ヒト由来の血液かどうかの判定も実施しています。 |
分析例
食品製造ラインにおいて混入した異物の分析例を示します。
異物をマイクロスコープにより拡大観察した結果、上下左右の長さが約2mmの薄茶色の脆い薄片状物質でした。
異物の外観と性質から、樹脂を主成分とする物質の可能性が高いことから、まずはFT-IR分析を実施しました。

FT-IR分析
異物のFT-IRスペクトルを示します。

IRスペクトルを解析した結果、異物の主成分はエポキシ樹脂であることが判明しました。エポキシ樹脂は塗料などに使用されます。塗料で用いられる顔料等の無機系添加剤の有無を調べるため、EPMA法による元素分析を実施しました。
EPMA法による元素定性分析
異物のEPMAスペクトルを示します。EPMAでは元素周期表におけるホウ素(B)からウラン(U)までの88元素を対象として分析するため、各元素に適した4つの分光結晶としてフッ化リチウム(LIF)、ペンタエリスリトール(PET)、ステアリン酸鉛(PBST)、フタル酸ルビジウム(RAP)が用いられています。

樹脂由来の炭素(C)、酸素(O)の他に、少量のケイ素(Si)、チタン(Ti)、塩素(Cl)、微量のアルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、カリウム(K)、銅(Cu)、ナトリウム(Na)、硫黄(S)が検出されました [*金(Au)は前処理に起因します]。
Si、Caはそれぞれ、二酸化ケイ素、炭酸カルシウムなど、塗料の体質顔料として使用されることがあります。また、Ti、Feはそれぞれ、酸化チタン、酸化鉄が顔料として使用されることがあります。
これらの金属元素に由来する物質を調べるため、XRD法により分析を実施しました。
XRD法による結晶性化合物の定性分析
異物のX線回折パターンを示します。

石英(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)に由来するパターンが検出されました(微小ピークのパターンも確認しています)。いずれも塗料の無機系添加剤として用いられる物質です。
結論
異物は、無機系添加剤として石英、酸化チタン、炭酸カルシウムを含むエポキシ樹脂の塗料片であることが判明しました。
問合せ先
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電話でのお問合せ
0480-37-2601 (東京事業所 高分子技術部門)
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