靴製品試験の種類
当機構では、靴製品に関するさまざまな試験を行っています。
安全靴の試験
作業者の足を保護するための安全靴に関する規格は日本産業規格『JIS T8101:2024 安全靴』と、日本保安用品協会の『プロテクティブスニーカー規格』の2種類があります。
また、静電気帯電防止靴については『JIS T 8103:2024 静電気帯電防止靴』という規格があります。
この中には作業の程度・環境によって要求される製品の性能と、靴を構成する素材の性能 それぞれの試験方法と基準値が定められています。
詳細は『安全靴の試験』をご参照ください。
靴に関連する基準試験
量販店、百貨店および通販会社では、製品に対して独自の入荷判断基準を持っています。
当機構では、各社の基準に対応した靴製品の検査(商品検査)を行っています。
また、特定の基準がない場合、当機構で保有している『化評研はきもの標準品質規格』で検査を行っています。
詳細は『量販店などの基準試験』をご参照ください。
その他の日本産業規格(JIS)の試験
その他に日本産業規格には『JIS S 5050:1995 革靴』と『JIS S 5005:2010 長靴』などの規格があります。
それぞれ製品そのものの性能のほかに素材の強度などが規格されています。
詳細は『その他のJISの試験』をご参照ください。
量販店などの基準試験
各量販店・百貨店により求める試験の項目が異なります。
靴製品に対する試験
- 表底のはく離試験
- 甲バンドの引抜き試験
- ヒールの取り付け強さ試験
- ヒールの衝撃強さ試験
- 靴製品の屈曲試験
- 靴製品の耐滑性試験
- 防水性試験(静的試験)
- 耐水屈曲試験(動的試験)
靴素材に対する試験
- 表底の屈曲試験(ロス屈曲試験、SATRA屈曲試験)
- 表底の摩耗試験(アクロン摩耗試験、ウィリアムス摩耗試験、DIN摩耗試験)
- ヒールの耐疲労性試験
- 摩擦に対する染色堅ろう度試験
- 水に対する染色堅ろう度試験
- 汗に対する染色堅ろう度試験
- 甲素材の耐屈曲性試験(常温、低温)
- 耐切創性試験



靴製品の屈曲試験
靴製品を着用時に近い状態で繰返し屈曲させて甲材および底材の屈曲耐性を評価します。製品を切断することなく、試験機にかけることができるので 厚い靴底や先芯入りの製品にも対応することができます。
また、装置は深型の槽を備えているので、水中での試験にも対応できます。
試験条件
屈曲回数 :140回/分
屈曲角度 :5°~50°
対応靴サイズ:22.0~28.0cm
評価例
指定回数屈曲後の屈曲部位(甲部および表底部)のき裂など外観異常の有無を観察します。
水中での試験の場合は、内部への水の浸入の有無も確認します。


靴製品の耐滑性試験
靴製品を規定の鉛直力で床面に押付け、床面を一定の速度で水平に移動させ、動摩擦係数の 測定を行います。得られた数値が大きいほど滑り抵抗が大きいことを意味します。
装置は、『JIS T 8101:2006』に規定される耐滑性試験機で、試験床と靴製品を保持する人工足 から構成されます。
試験条件(JIS T 8101の場合)
試験速度:0.3m/s(18m/min)
試験床材:ステンレス板(90%グリセリン水溶液塗布)
鉛直力 :男子サイズ(26.0cm) 500N ,女子サイズ(23.5cm) 400N
滑り方向:つま先 → かかと
対応靴サイズ:19.0cm~
(靴の形状によっては甲部をカットすることがあります。)
評価例
- ステンレス板に90%グリセリンを塗布した状態での測定
- ステンレス板燥状態での測定
- ステンレス板に水道水を塗布した状態での測定
また、ご提供いただいた床材での測定も可能です。

ヒール耐疲労性試験
この装置は、『ISO 19956:2004』に規定されるヒール強度試験機で、歩行時に靴のヒールが 繰り返し受ける小さな衝撃に対する耐久性を調べます。
試験条件(JIS T 8101の場合)
試験速度:1秒間に1回
衝撃力 :0.68J/1打あたり
対象部位:ヒール単体
評価例
一定回数(20,000回)打ち続け、破損した回数でヒールの疲労強さを評価します。



安全靴に関する試験
当機構では以下の項目の試験を行っています。
製品の性能試験
| 基本性能 | 付加的性能 |
|---|---|
| ・耐衝撃性 ・耐圧迫性 ・表底のはく離抵抗 ・帯電防止性能 (静電気帯電防止靴の場合) | ・耐踏抜き性 ・かかと部の衝撃エネルギー吸収性 ・足甲プロテクターの耐衝撃性 ・耐滑性 |
甲被の試験
用いられる素材によって、求められる試験項目が異なります。
| 革製 | ・銀面割れ |
|---|---|
| 総ゴム製 | ・引張試験 ・老化試験 ・浸せき試験 (耐油性ゴム) |
| プラスチック、ビニルレザー、人工皮革 | ・引張試験 |
|---|---|
| 布および合成樹脂引布 | ・破裂試験 |
※1 革およびゴムの甲被に関してはJIS T 8101と同様
表底の試験
用いられる素材によって、求められる試験項目が異なります。
| ゴム製 | ・引張試験 ・引裂試験 ※2 ・老化試験 ・浸せき試験 ※2 |
|---|---|
| 発泡ポリウレタン | ・引張試験 ・引裂試験 ・老化試験 ・浸せき試験 |
※2 総ゴム製は対象外
| ゴム製 | ・引張試験 ・引裂試験 ※2 ・老化試験 ・浸せき試験 ※2 |
|---|---|
| 発泡ポリウレタン | ・引張試験 ・引裂試験 ・老化試験 ・浸せき試験 |
| プラスチック または 発泡プラスチック | ・引張試験 |
※3 静電安全靴および導電安全靴に関してはJIS T 8101と同様

その他のJISによる靴の試験
安全靴、防火靴の使用材料試験として踏抜き防止板の屈曲試験を実施しています(ISO 20344他)。
また、日本産業規格には安全靴以外に『JIS S 5050:1995 革靴』、『JIS S 5005:2015 長靴』 などがあります。当機構では以下の項目の試験を実施しています 。
甲用材料の試験
- 厚さの試験
- 銀面割れの試験(革の試験)
- 透湿度試験
- 摩擦に対する堅ろう度試験
- クロム含有量試験
- 引張試験
- 引裂試験
- 耐切創性試験
表底およびかかと用材の試験
- 厚さの試験
- 引張試験
- 引裂試験
- 硬さ試験
- 耐油性試験
裏材用の試験
- 厚さの試験
- 摩擦に対する染色堅ろう度試験
製品の試験
- 表底のはく離強さ試験(つま先はく離)
- 漏れ防止性能試験(長靴)

