絶縁破壊試験

絶縁材料に電圧を印加し、絶縁破壊が生じる電圧や耐えうる電圧から絶縁耐力(kV/mm)を求めます。短時間・段階昇圧・耐電圧の各試験に対応し、最大100kV、室温〜200℃、各種媒質で評価。JIS C2110やASTM D149に準拠します。


交流電圧または直流電圧下での絶縁材料の耐久性 (絶縁耐力、どの程度の電圧まで耐えうるか)を評価します。(液体または半固体試料はこちらを参照)

絶縁材料に電圧を印加すると、低電圧ではオームの法則に従う微小電流(漏れ電流)が流れますが、電圧がある値を超えると急激に大きな電流が流れ、やがては絶縁性能の消失 (絶縁破壊)に至ります。絶縁破壊が生じる電圧、またはどの程度の電圧まで耐えうるかを求めることで絶縁耐力を評価します。

試験詳細

対応規格

  • JIS C 2110-1「固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第1部:商用周波数交流電圧印加による試験」
  • JIS C 2110-2「固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第2部:直流電圧印加による試験」
  • JIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」
  • ASTM D 149「Standard Test Method for Dielectric Breakdown Voltage and Dielectric Strength of Solid Electrical Insulating Materials at Commercial Power Frequencies」 他

短時間(急速昇圧)試験

0 Vから絶縁破壊が生じる電圧まで一定速度で昇圧し、絶縁破壊を生じた電圧 (絶縁破壊電圧, kV)または試験片の厚さ (電極間距離, mm)で除した絶縁破壊の強さ(kV/mm)を求めます。

段階昇圧試験

短時間試験から予想される絶縁破壊電圧の40%値を印加し、規定時間で絶縁破壊を生じない場合は順次規定の段階電圧を加えます。この操作を絶縁破壊が生じるまで繰り返し行い、絶縁破壊が生じない最大電圧を試験片の厚さ (電極間距離)で除した絶縁破壊の強さ (kV/mm)を求めます。

保証試験(耐電圧試験)

速やかに規定の電圧まで昇圧し、規定時間印加しても絶縁破壊が生じないか評価します。

図1 各試験の昇圧模式図

試験機仕様

最大印加電圧AC/DC(+) 100 kV
*印可可能な電圧は試験片の形状や試験条件によって異なります
周波数60 Hz (50〜200 Hzで変更可能)
周囲媒質電気絶縁油 (JIS C 2320 1種または6種)、空気
温度設定範囲室温または (室温+20℃)〜200℃
電極異径電極 (Φ25 mm円柱/Φ75 mm円柱)
同径電極 (Φ25 mm円柱/Φ25 mm円柱)
球−平板電極 (Φ20 mm球形/Φ25 mm円板)
直径6 mm金属棒電極 (Φ6 mm金属棒/Φ6 mm金属棒) 他
図2 試験設備
図3 試験状況

測定事例|絶縁破壊の強さの温度依存性

測定条件

試料100 µm, PETフィルム
印可電圧の種類AC, 60 Hz
周囲媒質空気
電極同径電極
昇圧方式短時間試験
昇圧速度1 kV/s

測定結果

図4 PETフィルムの絶縁破壊の強さの温度依存性

PETフィルムは優れた電気絶縁性、熱的安定性などからエレクトロニクスや電気機器分野で最も広く使われている絶縁材料の一つです。上図は室温から200℃までの温度範囲で絶縁破壊試験を測定した例となります。絶縁破壊の強さについて、150℃までは室温の90 %以上を保持していますが、150℃を超える温度では著しい低下が確認されました。

標準的な絶縁破壊試験に加え、各種雰囲気 (媒質・温度)下における試験、漏れ電流等の関連データ取得、環境試験による促進劣化後の評価にも対応しています。
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