リピドミクス

血液・尿・組織など多様な試料を対象に、液体クロマトグラフ四重極飛行時間型質量分析計 (LC-QTof/MS) 等の装置を用いて、中性脂質、リン脂質、脂肪酸、エイコサノイド等さまざまな脂質成分のノンターゲットおよびターゲット解析が可能です。


概要および測定メニュー

概要

本機構は、質量分析計を用いた脂質成分の測定 (リピドーム解析) を実施しています。中性脂質、リン脂質、脂肪酸、エイコサノイド等さまざまな脂質成分を測定対象とし、液体クロマトグラフ-質量分析計 (LC-MS) および超臨界流体クロマトグラフ-質量分析計 (SFC-MS) を使用した幅広い測定を実施しています。

測定メニュー

項目測定メニュー目的
1.リピドミクス解析総脂質ノンターゲット解析・中性脂質、リン脂質の脂質プロファイルを比較したい
・脂質マーカーを探索したい
ターゲットリピドーム解析 (LC-MS/MS)・特定の脂質を高感度に検出したい
・特定の脂質を比較したい
ワイドターゲットリピドーム解析(SFC-MS/MS)
2.脂肪酸解析中~長鎖(C8~C24)の偶数炭素数脂肪酸の主要31成分の定量解析・脂肪酸を網羅的に定量比較したい
・特定の脂肪酸を定量したい
・未知脂肪酸を探索したい
中~超長鎖(C8~C30)の脂肪酸の71成分一斉定量解析
3.エイコサノイド解析アラキドン酸由来47成分誘導体化高感度一斉解析・プロスタグランジン、ロイコトリエン等のエイコサノイドを定量比較したい
・特定の脂質メディエーターを定量したい
アラキドン酸由来48成分+EPA由来10成分+DHA由来5成分

測定メニューの特徴

リピドミクス解析

総脂質ノンターゲット解析およびターゲットリピドーム解析を実施しています。総脂質ノンターゲット解析では、一般的なステンレスカラムに吸着しやすいリン脂質、リゾリン脂質等の分析にCERIのL-column3 C18メタルフリーカラム等を使用することで、分析成分の吸着を抑えた高感度分析を実施しています。

また、SFC-MS/MSを用いたワイドターゲットリピドーム解析では、約800種の脂質を測定対象としています。詳細については、こちらを参照ください。

図 微量酸性リン脂質 (ホスファチジン酸 (PA)、ホスファチジルセリン (PS)) のピーク形状比較
図 微量酸性リン脂質 (ホスファチジン酸 (PA)、ホスファチジルセリン (PS)) のピーク形状比較

①総脂質ノンターゲット解析

高い分解能で質量情報を取得できる四重極飛行時間型質量分析計 (QTof) を用いて、DIA (データ非依存性解析) 法による包括的なリピドーム解析を実施しています。データ解析ではMass AnalyticaのLipostar2を使用して幅広い脂質成分の検出、解析結果を提供します。包括的なリピドーム解析で得られる大量の精密質量とスペクトル情報から、一括で高精度に脂質を自動同定することが可能です。

図 LC-QTof/MS
図 LC-QTof/MS

②ターゲットリピドーム解析

LC-MS/MSを用いた脂質分子のターゲット解析を実施しています。さまざまな炭素数・二重結合数の脂肪酸側鎖を持つ脂質分子を対象としています。測定対象等の詳細については、お問い合わせください。

図 大腸菌から検出されたホスファチジルエタノールアミン(PE)の一例
図 大腸菌から検出されたホスファチジルエタノールアミン(PE)の一例

脂肪酸解析

脂肪酸の安定同位体標識化合物の合成方法およびLC-QTof/MSによる誘導体化不要の網羅的脂肪酸解析手法を開発し、それらを組み合わせた手法を用いて内部標準法による高精度の分析を実施しています。

高分解能LC-MSによるスキャン分析で網羅的に測定することで、標準品がない脂肪酸または未知脂肪酸についても検出、比較解析を実施しています (参考資料;質量分析総合討論会ポスター(2016年))。二重結合の位置異性体および、cis-、trans-異性体を分離することができるため、一度に多くの種類の脂肪酸を網羅的に解析することが可能です。また、従来のGC(-MS)解析で必要だった誘導体化を行わずに測定できます。そのため、総脂質解析で使用したサンプルの希釈倍率を変えるだけで脂肪酸解析ができ、少量のサンプルから総脂質と脂肪酸の両方のプロファイルデータを得ることができます。

なお、高分解能LC-MSによるスキャン分析に加えて、誘導体化GC-MSによる脂肪酸解析も実施しています。ご要望の際はご相談ください。

図 C8:0~C30:0の飽和/不飽和/分岐鎖脂肪酸 (66物質) のクロマトグラム
図 C8:0~C30:0の飽和/不飽和/分岐鎖脂肪酸 (66物質) のクロマトグラム
図 不飽和脂肪酸の二重結合位置異性体の分離分析例
図 不飽和脂肪酸の二重結合位置異性体の分離分析例

エイコサノイド解析(誘導体化法)

エイコサノイドに共通するカルボン酸をアミド化して高感度解析を実施しています。誘導体化により50~150倍程度高感度化を実現し、ヒト血清100 μLからエイコサノイドを再現良く測定可能にしました(参考資料;質量分析総合討論会ポスター(2016年))。

必要なサンプル量は、血清/血漿であれば100 μL程度、組織であれば30 mg程度です。詳細については、お問い合わせください。

図 プロスタグランジンE2(PGE2)の非誘導体化/誘導体化分析の比較
図 プロスタグランジンE2(PGE2)の非誘導体化/誘導体化分析の比較

サンプル量

測定条件血液、血清、血漿組織細胞
総脂質/脂肪酸20 μL 以上20 mg 以上1x106個 以上
エイコサノイド100 μL 以上お問い合わせくださいお問い合わせください

解析実績サンプル:
血液、血清、血漿、尿、肝臓、脳、精巣、脳脊髄液(CSF)、糞便抽出液、ゼブラフィッシュ、各種培養細胞、培養上清、乳酸菌培地、植物抽出液、乳製品等

上記サンプル以外にも前処理から対応します。

QC用として別途試料をご用意願います。

基本的にサンプルは返却しておりませんが、必要な場合お申し付けください。

上記試料量のご用意が困難な場合はご相談ください。

ヒト臨床サンプルの前処理も可能です(ヒト臨床サンプル確認書の提出をお願いします)。

価格および納期

本解析の価格に関しましては、本機構までお問い合わせください。

担当部門:環境技術部門

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