スペクトルを用いた粘弾性予測 | 粘弾性評価事例

緩和スペクトルや遅延スペクトルを用いて応力緩和やクリープ挙動を予測します。製品設計やCAE解析への活用が可能です。


スペクトルを用いた粘弾性予測~樹脂(高密度ポリエチレンHDPE)の過渡応答予測~

高密度ポリエチレン(HDPE)の緩和スペクトル(基準温度160℃)

粘弾性の緩和弾性率予測を行うため材料の緩和スペクトルを用意する。
ここでは基準温度160℃におけるHDPEの離散型緩和スペクトルを使用する。作成方法は、一般化マクスウェルモデル近似および離散型緩和スペクトル算出| 粘弾性評価事例を参照

図1 HDPEの離散型緩和スペクトル(基準温度160℃)

応力緩和予測

一般化マクスウェルモデルで緩和弾性率を表すと式1となる。
(式1中のG(t)は系全体の緩和弾性率、tは時間、τiは各緩和成分の緩和時間、Giは各緩和成分の緩和弾性率である。)
各緩和成分の緩和時間τi、各成分の緩和弾性率Giを代入することで緩和弾性率が求められる。
緩和弾性率G(t)に材料に加えたひずみγを乗ずることで、縦軸を応力σ(t)に変換することが可能である(式2)。
線形ひずみでは、緩和弾性率曲線が変わらないが、非線形ひずみの場合ひずみの増加に伴う弾性率の減衰を考慮する必要がある。

参考文献:講座・レオロジー、日本レオロジー学会編、高分子刊行会
図2 応力の時間依存性(試料:HDPE、基準温度160℃)

高密度ポリエチレン(HDPE)の遅延スペクトル(基準温度160℃)

粘弾性のクリープ予測を行うため材料の遅延スペクトルを用意する。
ここでは基準温度160℃におけるHDPEの離散型遅延スペクトルを使用する。作成方法は、一般化フォークトモデル近似および離散型遅延スペクトル算出 | 粘弾性評価事例を参照

図3 HDPEの離散型遅延スペクトル(基準温度160℃)

クリープ予測

一般化フォークトモデルでクリープを表すと式3となる。
(式3中のJ(t)は系全体の遅延クリープコンプライアンス、tは時間、λiは各遅延成分の遅延時間、Jiは各遅延成分の遅延クリープコンプライアンスである。)
各成分の遅延時間λi、各成分の遅延クリープコンプライアンスJiを代入することで遅延クリープコンプライアンスJ(t)が求められる。
遅延クリープコンプライアンスJ(t)に材料に加わえた応力σを乗ずることで、縦軸をひずみγ(t)に変換することが可能である(式4)。
線形応力であれば遅延クリープコンプライアンスJ(t)の曲線は変わらないが、非線形応力の場合応力の増加に伴うクリープコンプライアンスの上昇を考慮する必要がある。

参考文献:講座・レオロジー、日本レオロジー学会編、高分子刊行会
図4 ひずみの時間依存性(試料:HDPE、基準温度160℃)
担当部門:高分子技術部門

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