時間依存性測定 (周波数一定)
時間依存性測定(周波数一定)では、材料の熱安定性を評価できます。加水分解を起こす材料で、試験時間中に分解が起きないかなどを確認できます。
図は、貯蔵弾性率の時間依存性の概略図です。測定は、温度、周波数およびひずみを一定で行います。材料が熱および変形に対して変化を起こさなければ実線となります。
熱架橋、凝集等の内部構造の変化が起きれば破線のように増加する曲線となります。(複素粘度(=
)として評価した熱硬化性樹脂、接着材の硬化挙動 はこちら)
熱分解、凝集の崩壊等の内部構造の変化が起きれば点線のように減少する曲線となります。
反応および崩壊の速さによって、増加または減少を開始する点が変わります。時間依存性測定(周波数一定)は、温度(温度依存性測定を参照)、周波数(周波数依存性測定を参照)およびひずみ(ひずみ依存性測定を参照)に依存して結果が変わるため、変化点の比較をする際には温度および周波数、ひずみによって結果が変わることを考慮する必要があります。

時間依存性測定 (せん断速度一定)
時間依存性測定(せん断速度一定)では、せん断粘度の時間依存性およびせん断速度依存性を評価できます。
図1は、粘度の時間依存性の概略図です。測定は、温度およびせん断速度を一定で行います。液体および粘弾性液体の粘度測定によく用いられ、B型粘度計、回転レオメータ(ARES-G2 、RPA2000 )およびキャピラリーレオメータ(RH2200) で測定可能です。
粘弾性体は、粘度の平衡値がせん断速度によって変わります。せん断速度に対してそれぞれの平衡値(図中の各●)をプロットすることで、せん断速度依存性(フローカーブ) の図を得ることができます。せん断速度依存性(フローカーブ)は、平衡状態までの時間依存性の情報がなくなります。

時間依存性測定(せん断速度一定)では、非線形ひずみ領域の評価も可能です。
材料内部に構造を形成する材料では、図2のように粘度の時間依存性において降伏(上に凸の曲線)を示すことがあります。この降伏の頂点(図2の赤色●)の応力(=粘度×せん断速度)を降伏応力と呼びます。

弱い凝集力を持った分散系材料では、図3の粘度の時間依存性のせん断速度0.01 (1/s)のような粘度の上昇が見られます。高速せん断を与えたまたはサンプルセットなどで内部構造が壊れ、低速のせん断で分散材が衝突することで再凝集し粘度が上昇します。このような挙動をレオペクシーと呼びます。
